レバラン平穏に祝う Uターンラッシュで混雑

 インドネシアの人口約9割に当たる約2億人のムスリムは8日、1カ月のラマダン(断食月)が明け、レバラン(断食月明け大祭)を祝った。ラマダン中には近年初めて仏教寺院で爆弾テロが発生したが、レバランは平穏に迎え、新調した服を身に付けたムスリムたちは親戚や近隣住民、友人らと1年の非礼を詫びるあいさつを交わした。
 官公庁や多くの企業は12日が仕事始め。空路のUターンラッシュは11日、ピークを迎えた。スカルノハッタ空港にはスラバヤやマカッサル、メダン、バリなど各地から帰省客が次々到着した。
 西ジャワ州バンドンからジャカルタに向かうチプララン高速道路は同日、渋滞が発生。公立やイスラム系の学校は18日まで休みのところも多いため、ジャワ島北岸道路(パントゥラ)などではしばらくUターンする帰省者で混雑しそうだ。
 交通事故も多発している。中部ジャワ州プルウォクルトでは10日、ソロ発ジョクジャカルタ行きの大型バスが横転し、崖へ転落、12人が死亡し、25人が負傷する事故が発生した。ブレーキが利かなくなったのが原因とみられる。警察や運輸省は改めてUターン前に車両を点検するよう呼びかけた。

■首都の居残り組も
 レバラン中、遠出せずに都心で過ごした人も多い。ジャカルタへ帰省者が戻ってくる前に買い物を楽しんだり、家族と家で団らんしたりと過ごし方はさまざまだ。
 中央ジャカルタのショッピングモールのプラザ・インドネシアは11日、買い物客でにぎわった。家族10人と訪れたルー・チー・シンさん(64)は「観光地はどこも混んでいて疲れるだけ。ジャカルタは人が少ないし、昔と違っていろいろ楽しめる場所が増えた」と話す。
 プラザ・インドネシアの喫茶店で働くディアナさん(20)は、買い物客でにぎわう連休中は仕事も休めず、レバラン後に1日休むという。「モールで働く友達の中には私のような勤務シフトの人も少なくないと思う」と語った。
 格安航空の普及で空路の帰省利用客は今年、過去最多を記録する見込みだが、航空券の獲得競争は激しい。インドネシア大学(UI)でコンピューター技術を学ぶアフマッド・ハビビさん(17)は2年連続でチケットを入手できず、故郷のカリマンタンに帰省していないという。「来年こそは帰りたい」と話すが、友人たちの間で帰省しない人も増えているという。

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