帰省ラッシュ始動 3000万人超が大移動 8人に1人は空路

 8日ごろに迎えるレバラン(断食月明け大祭)を目前に控え、帰省ラッシュが始まった。運輸省は週末3、4の両日にピークを迎え、全国各地で故郷を目指す3千万人超の大移動が本格化すると予測。陸路の整備が滞るなど課題が残る一方、好調な経済を反映し、空路の利用者が増えている。   
 公共事業省は、陸路で帰省する人の多くが利用するジャワ島北岸道(パントゥラ)の補修完了区間は先月30日時点で50%程度にとどまると明らかにした。混雑時は工事を停止し、通行可能にするという。
 消費者協会(YLKI)によると、北岸道は首都圏から陸路で帰省する人の60%が利用する。通行量が多いことに加え、バスやトラックの過積載が路面の損傷を早めている。運輸協会(MTI)はアスファルトを使った応急処置ではなく、耐久性に優れたコンクリート舗装にするよう求めている。
 北岸道の混雑を見越して迂回道路の整備も進められている。今年は降水量が多く、土砂崩れの増加も懸念されており、公共事業省は西ジャワ州や中部ジャワ州を通る道路のうち、土砂崩れが多発する地点に重機を待機させ、復旧作業に備えているという。
 スマトラ、ジャワ両島間のスンダ海峡でフェリーを運航・管理する国営河川・湖沼フェリー公社(ASDP)も対応に追われている。同社はスンダ海峡を横断し、ランプン州バカウヘニ港とバンテン州メラック港を結ぶ航路の帰省ラッシュは4日ごろにピークを迎えると予測、二輪車専用の桟橋を臨時に増やすなどして対処する方針だ。昨年は23万9964人の帰省者が同航路を利用したという。

■エアアジアは30%増
 空路も混雑している。運輸省は、飛行機を利用する帰省者は前年比11.7%増で過去最高の375万人に上ると予測。ガルーダ航空やライオンエアなど、航空8社がレバラン前後の国内線31路線で合計834便を増便し、国際線もマレーシア航空など10社が30路線で増やす予定だ。
 エアアジア・インドネシアの広報担当者によると、同社の利用客は1日〜14日の間で通常より15〜20%増加。レバラン前後2週間の利用客は今年、昨年の58万人から30%増の75万人となる見通しだ。
 8月に入り、ジャカルタとジョクジャカルタ、メダン、バリを結ぶ国内線のほか、シンガポールやタイのバンコクへ向かう国際線で搭乗率が100%に達する便が続出しているという。
 空路の帰省者は3日ごろから増え、レバラン後の11日にピークを迎えるとみられる。エアアジアのジャカルタ発ジョクジャカルタ行きは7日まで完売。8日は平常時の約2倍となる80万ルピア以上に跳ね上がっている。Uターン用の同路線は18日まで80万ルピア前後と高止まりし、19日から通常価格に戻る。(田村隼哉)

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