水門のごみ山を撤去 ジョコウィ「市民の意識改革も必要」
南ジャカルタ・マンガライを通るチリウン川に向かって、少年たちが橋から菓子の袋を投げ入れた。上流から流れてきたヘルメットやサッカーボール、インドミーのカップなどの雑多なごみとともに、水門付近で大量のごみと合流した。
水門脇では、作業員がショベルカーを操り、水面に浮かぶごみを休む間もなく陸に移していく。無数のハエが群がり、生臭いにおいを放つごみ山。ゆうに2メートルを超える高さだ。
ごみを分別する作業員は、ぬかるんだ地面で転ばないよう、杖をついてごみ山に目を凝らしていた。作業員のムハマッド・サイードさん(30)によると、朝から夕方まで働いて、日当1万5千ルピアだという。
マンガライの水門ではこれまで大量のごみが溜まり、大雨が降ると氾濫し、洪水悪化の原因となっていたが、州政府は作業員の給料を払えないという理由で水門付近のごみの撤去作業を止めていた。
ジャカルタ特別州はごみの撤去作業を再開し、18日にはジョコウィ知事がマンガライ水門を視察。「州政府がこれからもごみの撤去を継続する」と話し、「市民がむやみにごみを捨てないよう意識改善も必要だ」と呼び掛けた。レバラン明け(断食月明け大祭)には、市民への啓もう活動を実施するという。
マンガライに住むダヴィドさん(35)は、水門に詰まったごみを見つめ「水門はそもそも洪水防止のためにあるものだろう。政府は現状を踏まえた政策を出してほしいし、私たち市民もごみ問題をよく考え、日頃の行いを改めることが大事だ」と語った。(山本康行、写真も)