路上の大太鼓 繁盛 ラマダン明けの風物詩
「ドンッ、ドンッ」。中央ジャカルタ・タナアバン市場付近の大通りで、渋滞に巻き込まれた車のエンジン音にまぎれて重みのある太鼓の音が聞こえてきた。路上に黄、青、赤、縞模様と色とりどりの大太鼓「ブドゥック」が50個以上並べられ、通り過ぎる人々の目を引いていた。
「たたいてみるかい」。ブドゥック売り21年のバン・モナさん(49)が木製のバチを差し出した。最も大きい太鼓の直径20〜30センチほどの面をたたいてみると、太い音が響き、面の硬さが伝わってくる。
「ヤギの皮を乾燥させて、丸い枠に張り付ける。ボルトでドラム缶とつなぎ合わせて完成だ」とモナさん。ブドゥグ売りを手伝う17歳の息子が流暢な英語で通訳してくれた。
大きいブドゥッグは50万ルピア、小さいのは15万ルピア。「今日だけで大小合わせて50個は売れたかなあ」と笑顔を見せた。
来月8日ごろのレバランまであと2週間。レバラン前夜には、若者たちが車に載せたブドゥックをたたきながら街を回り、1カ月の断食で自己修練を成し遂げたことを祝う。(山本康行、写真も)