黄組が連覇 1組増え5組で熱戦 ジャカルタ日本人学校体育祭
ジャカルタ日本人学校(JJS)は15日、第44回体育祭を開催した。今年のスローガン「5つの光を輝かせ! 〜響き合え みんなの光をひとつにして〜」のもと、小・中学部の児童・生徒が赤組と青組、黄組、緑組、白組の5組で徒競走などの得点を競った。降雨による約20分の中断をものともせず、黄組が優勝し、連覇を果たした。
好調なインドネシア経済を背景とした日系企業の駐在員や家族の増加を反映し、緑組が復活した昨年に続いて今年は白組が新設された。
岩本謙一郎校長や日本大使館の島田順二公使が開会式で子どもたちを激励。回を重ねるごとに活気を増す体育祭の火ぶたが切られた。児童・生徒は学年ごとの徒競走やリレー種目を中心に、玉入れや玉転がし、騎馬戦などで熱戦を繰り広げた。
中学部男子の組体操では、4段ピラミッド、錯角5段ピラミッドと名付けられた大技が次々に繰り出された。直立した生徒の肩の上にさらに直立する形で作り上げた3段のタワーを軸に組んだ扇が180度回転すると、会場に詰めかけた保護者から喝采が送られた。組体操をとりまとめた中学部3年の辻貴幸さん(14)は「前日になって初めて全ての技が成功した。今日まで皆を鼓舞してきた」と、積み重ねた努力の成果を出し切った様子を話した。
中学部女子は「SHINE AND SHADOW」をテーマにダンスを披露。白と黒のシャツを着た2組に分かれて一糸乱れぬ動きを見せ、AKB48の「リバー」やマイケル・ジャクソンの「スリラー」に合わせたダンスで観客の注目を集めた。
最後に行われた中学部選抜色別対抗リレーは優勝の行方も左右するだけに、子どもたちだけでなく保護者も応援に力が入った。序盤から先頭でレースを引っ張り、終盤にリードを広げた黄組が1位。白組、青組、赤組、緑組が続いた。
中学部のリレーで他を圧倒した黄組が総合優勝を勝ち取り、応援大賞と看板大賞は赤組が受賞した。赤組は「あか」組にかけて「なめたらあかん」の文句で知られるあめのコマーシャル曲を取り入れるなどし、応援合戦でユニークな応援を披露した。総合順位は2位青組、3位白組、4位赤組、5位緑組だった。
閉会式では緑組団長を務めた中学部3年の角田亮太さん(14)が「何も賞をとれなかったが、今までで最高の体育祭だった。みんなのおかげでここまでこられた」と涙ながらに仲間への感謝を伝え、保護者から温かい拍手が送られた。
■日本の文化、体育祭
体育祭では近隣の地元小・中学校から児童・生徒60人余りを招いて「交流玉入れ」が行われた。
玉入れに参加したプリギ第3小学校6年のキン・エズラさん(11)は「とても楽しかった。新しい友だちもでき、素晴らしい体験になった」と話した。インドネシアの小・中学校でも独立記念日などにスポーツ大会を開くが、日本ほど入念な準備をすることはないという。
今回で8回目の体育祭だという英国出身のJJS英語教師ケン・マッケンジーさん(33)も「母国のスポーツ大会には応援合戦や看板はなく、こうした日本の文化はとても興味深い」と話した。(文・田村隼哉、写真・上松亮介、12面に写真グラフ)