乾期に雨量増加 気象庁「8月まで悪天候続く」 農漁業や物流、影響じわり

 首都圏をはじめ全国各地で強風を伴う豪雨など悪天候が続き、洪水や高波も発生、農業や漁業、物流などに影響が出ている。気象地理物理庁(BMKG)は、例年3〜10月の乾期にもかかわらず、雨天が続く異常気象との見解を示し、7〜8月まで例年の乾期より雨量の多い不安定な天候が続くと予測している。
 BMKGによると、5月に前年同月比で150〜200%以上の雨量を記録したのはジャカルタなど首都圏、西ジャワ州、東ジャワ州、西ヌサトゥンガラ州、東ヌサトゥンガラ州など広域にわたった。
 海面水温が通常の乾期より上昇し、インド洋では例年26〜28度が29〜30度で推移しており、雨が降りやすい気候になっている。ジャワ島、スラウェシ島南部、ヌサトゥンガラ、バリ、マルク各地でも雨量が増えているという。
 今週末にも、リアウ諸島州、東ジャワ州、バリ州、東南スラウェシ州、マルク州、西パプア州南部の6つの地方が悪天候に見舞われると予測。ジャカルタなど首都圏をはじめ、西ジャワ州などで暴風雨となりやすいとしている。
 BMKGは洪水や地滑りなどの災害のほか、農作物に損害を与える害虫が大量発生する可能性もあるとして注意を喚起している。
 地元メディアによると、スマトラ島とジャワ島をつなぐ物流ルートであるバカウヘニ港(ランプン州)〜メラック港(バンテン州)間のスンダ海峡では3〜4メートルの高波が発生している。
 国営河川・湖沼フェリー公社(ASDP)は13日、フェリーを一部運休したため、メラック港では輸送トラックなどの長蛇の列が約5キロメートルに達した。小型の輸送船は高波の影響を受けやすく、出港遅延を余儀なくされている。
 東ジャカルタのクラマットジャティ中央青果市場では、赤トウガラシ、タマネギ、ジェンコル(ジリンマメ)などの農作物の価格が上昇。赤トウガラシはこの2週間で、1キロ当たり1万4千ルピアから2万5千ルピアへと跳ね上がっている。
 世界第2の天然ゴムの生産量への影響も懸念されている。インドネシア・ゴム生産者協会(ガプキンド)は、不安定な天候で生産量が減少し、今年は前年比6.6%(20万トン)減の280万トンになると予測。2.4%増の300万トンの目標修正を迫られるとの見通しを示した。

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