2500人参加し、記録に 住民主導のごみ拾い 5年続け、認知広がる ボゴールチリウン川

 ごみのポイ捨てが横行しているインドネシアで、西ジャワ州ボゴール市の住民が主導するごみ拾い運動が活発化している。5日、ボゴール市を通るチリウン川流域で2458人が川のごみ拾いコンテストに参加し、インドネシア記録博物館(MURI)は国内最多人数のごみ拾いとして記録に認定。市民がチリウン川の環境悪化に危機感を抱いて立ち上げた「チリウン保護コミュニティー(KPC)」が5年間地道に続けてきた取り組みは周辺住民や役所を巻き込み、徐々に認知を広げている。 
 コンテストではチリウン川流域の住民ら2458人がごみ袋2678袋分を拾った。今年からはボゴール市や環境省などが資金面でも協力。一番多くごみを集めた人に150万ルピアとトロフィーが贈られた。
 KPCは「チリウン川がごみだらけで不衛生」であることを危惧した周辺住民らで結成。川に沈む大量のごみは水位の上昇を招き、毎年起こる洪水の悪化にも繋がっているという。2007年から毎週末に数十〜100人ほどでごみ拾いを続けた。09年からは、幅広く参加者を募り、年に一回のコンテストを開いてきた。市に協力を呼び掛け、昨年からボゴール市の生誕記念の公式行事に認定された。

■意識変えるきっかけに
 KPCのコーディネーターのエーン・イラワン・プトラさんは「ごみ拾いがこれだけ大きなイベントになったことで、人々がますます環境について考え、ポイ捨てしなくなるように願う」とMURIに登録されたことで人々の意識が変わっていくことを期待している。KPCの活動を知り、デポックやプンチャックなどでも住民による同河川の保護団体が誕生しているという。
 チリウン川はボゴールや同州デポック、ジャカルタの中心部を通り、ジャワ海に流れ込む首都圏の主要河川。頻繁に洪水を引き起こす川として知られている。
 南ジャカルタ・マンガライに住むアナスタシア・プトリ・バフトゥさん(21)は11年に友人の誘いをきっかけにKPCの活動に参加。「自分の家の近くも通るチリウン川は、自分たちで清潔にして自然を守るべきだし、自分たちで洪水の原因も取り除いていかなければならない」と力を込めた。(堀之内健史、メイスク記者)

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