プログラム開始を宣言 奢侈品販売税免税で政令 低燃費低価格車 詳細規定は最終段階

 政府は5日、国内自動車産業の一層の発展を目指した低燃費・低価格車への優遇税制「低価格グリーン・カー(LCGC)プログラム」の開始を宣言した。部品の現地調達率などの詳細規定については、最終段階にあるが、近くまとめられる予定。大手メーカー各社が参入の計画を示しており、市場拡大の大きな後押しとなることが期待される。   
 5日、大統領との会議を終えたヒダヤット工業相は「これでLCGCの自動車を生産することができるようになった。今後のトレンドはグリーンカーになるだろう」と述べ、ユドヨノ大統領が先月23日付で、奢侈(しゃし)品販売税の対象となる自動車について定めた政令2013年第41号に署名したことを明らかにした。
 政令によると、セダンとステーションワゴンを除く排気量1200cc未満で燃費が1リットル当たり20キロ以上の車は、奢侈品販売税が免税となる。ディーゼル、セミディーゼル車については、排気量1500cc以下で燃費が1リットル20キロ以上が対象。また、条件ごとに奢侈品販売税を50%、25%減税することも盛り込んだ。
 ハッタ・ラジャサ経済担当調整相は5日、「これまで二輪車を購入していた市民が四輪車を購入できるようになれば、安全面や快適さの点でより好ましい」と期待を表明。一方、渋滞がさらに悪化するとの懸念について、「MRT(大量高速交通)や環状線、通勤列車、モノレールが整備されることで、将来的には公共輸送機関の利用を促す」との方針を示した。
 政令はLCGCプログラム全体の法的根拠となるもの。工業省のブディ・ダルマディ最先端技術活用主要産業総局長は、じゃかるた新聞の取材に対し、「部品の現地調達率などに関する規定はすでにできあがっており最終確認の段階」と明らかにした。
 トヨタとダイハツ、両社の現地パートナーであるアストラ・インターナショナル社は昨年、同プログラムの適用を念頭に新型車を発表。トヨタがアギア、ダイハツがアイラとして、ダイハツが4月に稼働させた新工場で生産する。日産やホンダなども同プログラム参画への意向を表明している。
 日系大手メーカー現地法人の幹部は「実際に規定が出てから部品の現地調達率の監査などで2、3カ月かかると聞いている」と述べており、実際の製品発売は今年後半になりそうだ。(上野太郎) 

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