気仙沼からインドネシアへ 「自立自助の発想を」 布製品展示会が開幕 被災地の主婦たちが制作
東日本大震災の被害を受けた宮城県気仙沼市の主婦が作る布製品の展示会が17日、西ジャカルタのテキスタイル博物館(Jl.KS Kuban No.2-4 Petamburan)で開幕した。31日まで。
本館の右側から奥に入り、右にある建物の2階で、錨(いかり)のマークが入った帆布、大漁旗を模した布地などで作られたかかばんやポーチなど60点を展示。制作風景や気仙沼の被災地、ユドヨノ大統領の訪問、昨年あったインドネシアパレードの写真なども飾られている。
布製品を制作したのは、気仙沼の工房「MAST帆布KESEN―NUMA」、「coco唐(ここから)」に参加する12人の主婦。展示品は18日から販売され、展示期間後、購入者に引き渡される。
国際協力機構(JICA)の専門家としてアチェ津波支援で土地登記簿の修復に携わった文書修復家で、今回の立案者の坂本勇さん(65)は「このようなグループが被災地には50以上あるが、大統領が訪問するなど縁が深い気仙沼を選んだ。被災者が自助自立するという発想を『輸出』したい」と意気込む。
1962年から4年間、文部省(当時)の奨学金を受けて、新宿の文化服装学院に留学した経験があるエルシ・スナリャさん(78)は「被災者がただ支援を求めるために適当に何かを作るというのではなく、社会の役に立つものを作るという姿勢に共感した」と話した。開幕式には日本大使館の島田順二公使、インドラ・リアワン館長ら約35人が出席。ジャカルタ特別州のティニア・ブディアティ観光文化副局長は「文化は政治や経済の壁を打ち破る力を秘めている。物理的な支援以上に精神的な関係を深めることができる良い機会だ」と述べ、展示会を通じた両国の人的関係の促進に期待を示した。
開館は午前9時〜午後3時(月曜、祝日休館)。
問い合わせはギアンさん(携帯0818・0676・9268)、ドウィさん(電話021・560・6613)まで。