「会員企業結びつけたい」 JJC新事務局長の吉田さん
ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の事務局長に東京商工会議所の吉田晋さん(41)が着任した。商工会議所の役割を、会員企業が問題解決のために互いの知見を結びつける「触媒」に例え、会員企業間同士のつながりや地元経済界とのネットワークの拡充を図りたいと張り切っている。
2003年から2年間、在マレーシア日本大使館に専門調査員として派遣されたことはあるが、インドネシアでの生活は初めて。日本の本社幹部も兼ねていることが多いJJC法人部会役員の顔ぶれだけでなく、膨大な来客やミッションの数からもインドネシアに寄せる日本の期待を実感している。「下手なことはできない」と苦笑いするが、プレッシャーは反面、やりがいにもつながっている。
「『何とかならないか』という要望に応えていくことに充実感を感じる」という吉田さんの商工会議所マンとしての原点は、入所後すぐに携わった中小企業支援の経験にある。
当時はバブル崩壊後の景気低迷期。特に、中小企業の資金繰りを臨時的に支援する、国の「特別保証制度」が終了した00年から3年ほどは、中小零細を取り巻く環境は厳しく、受け持ち企業の困りごとを聞いて回った。「一緒に悩むことしかできなかった」こともあるが、それでも1件1件、反応がダイレクトに返ってくるのが嬉しかった。
JJCについても、首都圏にある日系企業が情報交換し、互いに支え合える唯一の団体と思う。「いろいろな方々の知見を拝借し、解決策を見つけるための側面支援をしていきたい」と意気込んでいる。
商工会議所と日本人会の機能を併せ持つJJCは、在留邦人の福利厚生の向上でも大きな役割を担う。「インドネシアという国に親しんでもらうには、在留邦人同士が仲良くなるのが一番の近道」として、地元チームとの交流試合やイベントを通じ、地元の人との接点を持つきっかけになるよう、活動の活発化に貢献していきたい考えだ。
着任は4月1日付。役員交代もあり、現在は土日も事務所にこもっているが、月末には夫人が引っ越してくる。時間に余裕ができたら、大学時代からの趣味の登山を再開するのが楽しみだ。(道下健弘、写真も)