経営者ら5人逮捕 タンゲラン 労働者を「奴隷」扱い タンゲラン 無賃金、シャワーなし、熱湯で体罰

 バンテン州タンゲラン県スパタン郡ルバックワンギ村で3日夜、タンゲラン警察は労働者虐待などがあったとされるアルミ加工チャハヤ・ロガムの工場を摘発、軟禁状態にあった労働者34人を解放し、経営者ら5人を自由のはく奪や虐待など刑法違反の疑いで逮捕した。労働者の祭典、メーデーの2日後に発覚した事件に、地元メディアは「奴隷にされた労働者たち」などと報道している。

 逮捕されたのは、経営者のユキ・イラワン容疑者のほか、工場の監督者4人。現場から逃亡した2人の監督者の行方も追っている。工場では、なべやフライパンなどアルミニウム製のキッチン用品を製造していた。
 労働者は工場に隣接する敷地内の建物に寝泊まりしながら作業をしていたが、うち2人が先月末に脱出し、ヒッチハイクなどをしながら、実家のあるランプン州北ランプン県に戻った。その後、国家人権委員会、人権団体コントラスなどを通じて、警察に通報。今月3日にタンゲラン警察などが工場に踏み込んだ。
 警察によると、工場は1年半ほど前から操業。ランプン州や西ジャワ州チアンジュール、バンテン州パンデグラン出身の労働者は大半が20歳前後の若者で、4〜6カ月前から住み込みで働き始めた。携帯電話や現金など貴重品を奪われた状態で1日18時間の作業に従事。50平米に満たない、窓のない部屋の中に押し込まれ、1日2食しか与えられず、満足に栄養を取ることができない状況だった。この3カ月は水浴びもできず、皮膚病にかかった労働者も多かった。
 1カ月70万ルピアの給料という約束だったが、タンゲランの最賃を大幅に下回る上、実際は賃金が支払われなかった。
 目標に達しない場合、監督者から殴られたり、熱湯や薬品をかけられたりするなどし、多くの労働者の体には、あざややけどの跡が見られたという。18歳未満の子どもも4人おり、警察は児童保護法違反の疑いでも取り調べている。
 労働者たちは4日までに事情聴取を終え、警察が用意したバスなどで、それぞれの家族がいる故郷に向け出発した。

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