軍人の苦情は「1978」へ  国軍がSMS受付 暴力事件続出で

 国軍兵士の暴力事件が相次いでいることを受け、国軍は21日、大手携帯事業社4社と協力し、ショート・メッセージ・サービス(SMS)を利用した苦情投稿ホットライン「1978」番を開設したと発表した。地元メディアが報じた。

 国軍は国営テルコム、民間大手テルコムセル、インドサット、アクシアタの4社と提携。1978を共通番号とし、市民からの苦情を受け付ける。
 東ジャカルタ・チランカップの国軍本部での記者会見で、ゲルハン・ランタラ監察局長は「国民は規定に反するとみられる軍人を1978番に通報してほしい」と呼びかけ、「軍人のすべての違法行為を監視する。通報に基づいて捜査し、違法行為が確認された場合、処罰する」と強調した。アグス・スハルトノ国軍司令官が相次ぐ軍人の暴力事件を憂慮し、市民からの苦情を吸い上げるよう指示したという。
 国軍が市民に情報提供を呼びかけるに至った背景には、相次ぐ国軍兵士の暴力事件がある。3月7日、南スマトラ州オガン・コメリン・ウル県で兵士80人以上が県警本部を襲撃し、放火。銃剣で刺すなどして警官数人を負傷させた。1月に県警警察官が交通違反した兵士を射殺したことが原因とされる。
 同23日には、ジョクジャカルタ特別州スレマン県のチュボンガン刑務所に陸軍特殊部隊(コパスス)隊員11人が押し入り、4人を殺害。襲撃は数日前に殺害されたコパスス上官の敵討ちだった。
 先月20日にはけんか相手の若者を追っていた兵士10人が南ジャカルタ・レンテン・アグンの闘争民主党(PDIP)本部敷地内に侵入、制止した警備員ら3人を殴って負傷させた。
 刑務所襲撃事件では、国軍が事件発生から10日後に捜査結果を発表、コパスス隊員11人の関与を認め、軍事法廷で裁くと言明した。しかし兵士が起こす刑事事件は各地で続発しており、国軍が市民と連携して内部改革に取り組む姿勢をアピールした格好だ。

◇軍人の暴力事件

 3月7日 南スマトラ州オガン・コメリン・ウル県 陸軍兵士80人以上が県警本部を襲撃、放火。
 3月23日 ジョクジャカルタ特別州スレマン県 陸軍特殊部隊員が刑務所急襲、4人殺害。
 4月20日 南ジャカルタ区レンテン・アグン 陸軍兵士10人が闘争民主党本部に侵入、警備員ら3人殴打。

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