祭典楽しむ労働者 環境改善求める声
メーデーのデモ参加者は、労働環境改善を求めるとともに労働者の祭典を楽しんだ。ジャカルタでは中央ジャカルタのホテル・インドネシア(HI)前ロータリーを拠点にデモ行進を開始。まずは大統領宮殿(イスタナ)前を目指して歩いた。
労働者の祭典を彩ろうと、それぞれの労組が横断幕や小道具に趣向を凝らして存在感を示した。
イスタナ前で熱弁を振るるう代表者の呼び掛けに大声で応える人々がいる一方、演説そっちのけで周囲に集まった屋台でミー(ラーメン)をすする人の姿も。参加者は思い思いのやり方で祭典を楽しんだ。
デモでは、軍服調の制服や揃いのTシャツを着た人、仲間5人で上半身に「BURUH(労働者)」とボディーペインティングした若者などが練り歩いた。各団体を先導する街宣車に混じり、ワヤン(影絵人形)神輿も登場した。
参加している人たちに話を聞くと、異口同音に労働・生活環境の改善を求める声が上がった。
西ジャワ州ブカシの工場に勤務するビッキー・プラセティオ・アジエさん(20)は「適正な生活が送れるように、と参加した。暑さや疲れは問題でない」と語った。イスタナ前で車座になって休んでいたフィトリアントさん(32)も社会保険の完全実施や賃上げを求めた。
「主要労組は政府や経営者に対して影響力を持ち、国際労働機関(ILO)でも重視されている」と語るのはKSPSI(全インドネシア労働組合総連合)の制服を着たジャウハディ・アミンさん(74)。退職者の福祉充実の必要性を訴えた。(田村隼哉、写真も)