メーデー来年から祝日に 官邸で大統領 労組代表と会談

 労働者の祭典メーデーの5月1日、全国各地で労働団体が大規模なデモを予定している。インドネシア労働者評議会(MPBI)などの労働組合連合は首都圏の労働者約15万人を動員し、ジャカルタ中心部でデモを実施する。メーデーを控えた29日、ユドヨノ大統領は大統領官邸で、ムハイミン・イスカンダル労働移住相ら閣僚とともに労働組合連合の代表十数人と会談し、来年から5月1日のメーデーを国民の祝日とする方針を表明した。    

 ユドヨノ大統領は近年、メーデーの日には、日系企業を含む工場を視察するのが恒例となっており、事前に労働者代表を大統領官邸に招くのは異例。労組連合側は労働者の福祉向上のほか、補助金石油燃料の値上げ反対などを訴えていた。
 会談で大統領は、労働者の権利に配慮する姿勢を示すと同時に「経済成長を妨げる行為は厳重に取り締まる」と強調。近年続発する経営陣軟禁や公共施設封鎖などの違法行為の取り締まりを強化する方針を示し、要求を訴えるだけでなく、労働者としての義務遂行を呼びかけた。
 ユドヨノ大統領は1日、東ジャワ州スラバヤを訪れ、マスピオンやユニリーバなど家庭用品製造工場を視察する予定。
 労働組合総連合(KSPI)のサイド・イクバル会長は会談後、「大統領は経済成長と並行して労働者の賃金と福祉を向上させると約束した」と説明。社会保障制度構築や賃上げなどについて理解を得たと話した。
 同会長は月収20万〜60万ルピアの非常勤教員らの待遇改善なども訴えた。「公務員として認められず、最低賃金をはるかに下回る賃金で就労している労働者」と位置付け、法的に保護していく必要性があると強調した。
 労働者連合会議(KASBI)のニニン・エリトス代表は「大統領は来年の選挙を控え、労働運動が特定の政治勢力に利用されることのないよう要請した」と述べ、メーデーを政治問題化する勢力をけん制したと話した。
 在インドネシア日本大使館は29日、1日にホテル・インドネシア前ロータリー、大統領宮殿などジャカルタ各地でデモが予定されており、デモに遭遇した際には速やかにその場を離れるなど、十分に注意するよう呼びかけた。(配島克彦、写真も)

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