先行11カ国が承認 茂木経産相「国益かけた交渉へ」 日本のTPP交渉参加
環太平洋連携協定(TPP)交渉参加11カ国は20日、東ジャワ州スラバヤで担当閣僚会合を開き、日本の交渉参加を承認した。これまで態度を明らかにしていなかったカナダがこの日、承認する考えを表明。先行参加国が日本の参加に同意することで一致した。日本は7月下旬にも交渉に合流する見通し。
先行参加国の担当閣僚が19日に続き、日本の参加について検討後、承認に至ったことを茂木敏充経済産業相に伝えた。会合後、声明を読み上げた米通商代表部(USTR)のマランティス代表代行は「日本の参加により、TPPの世界のGDP(国内総生産)に占める比率は40%近くになる。アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)への実現に近付いた」と歓迎した。
茂木経産相は記者団に「国益をかけた交渉が始まる。我が国の交渉力を駆使して、攻めるべきは攻め、守るべきは守る。オールジャパン体制で国益にかなう交渉をやり遂げたい」と話した。
参加国は会合を19日に開いたが、結論を持ち越していた。会合に合わせて同日来イした甘利明TPP担当相が事前協議にあたり、豪州とニュージーランド、ペルーの支持を得ていた。カナダのエド・ファスト国際貿易相は20日になって、「両国の経済関係は長い歴史があり、ともに貿易・投資関係をさらに深めることを期待している」と発表し、11カ国の総意がまとまった。
米国では新たな国と通商交渉に入る90日前に議会に通知する決まりがあり、近く、議会に日本の参加承認を議会に通知する。議会手続きが順調に進めば、7月末にマレーシアである会合から交渉に参加する見通し。
先行国は5、7、9月の会合を経て、年内の交渉妥結を目指している。(道下健弘)