愛媛県企業事業機会探る 商議所連、県などミッション
愛媛県企業のインドネシア事業を推進しようと、愛媛県商工会議所連合会、愛媛県などの訪問団は9日、経済ミッションを開始した。12日までの日程で県内企業の9割を占める中小企業などが事業機会を探る。
同連合会のミッション海外派遣は初めて。県内の製造業者の要望を受けて、連合会を中心に県、地銀一体での派遣を決めた。「チャイナ・プラスワン」として訪問先にインドネシアが浮上。参加企業には産業用ボイラーの三浦工業、井関農機など年内にインドネシア国内で新工場を稼働させる企業もある。
訪問団は10日、中央ジャカルタのBNIビルで地元企業との商談会に臨んだ。日本側は連合会訪問団9社と日刊工業新聞が事務局を務める産業人クラブ訪問団5社の計14社対し、インドネシア側はBNIの顧客35社と経営者協会(アピンド)20社。日本側の会社情報をまとめ、インドネシア側が事前に精査する方法で、パートナー探しの効率化を図った。
商談会に協力した中小企業連合会(SMEJ)の白石康信会長は「中小企業の進出には合弁の方がいいと勧めている」と説明。「日本の中小企業には技術があるが、人材、資金力、情報と弱い点もある。労務、税務などの課題にはインドネシア人が長けている。両者が組めば競争力のある企業ができる」と強調した。
中村時広知事と白石省三連合会会頭は10日工業省、商業省を表敬訪問した。11日はダフラン・イスカン国営企業担当国務相と面会する予定。県の産業、観光の周知を目指す。中村知事は「大手は単独で進出できるが、中小企業は外に展開するノウハウ、営業の面で後押しが必要だ」と語った。
到着した9日夜には、今回の訪問を支援するインドネシア日本友好協会(PPIJ)の歓迎レセプションがあった。10日夜の愛媛県人会との懇親会で黒田憲一会長ら同県出身の在留邦人と交流した。11日は白石省三会頭が会長を務める三浦工業の新工場、住友建機工場、スルヤ・チプタ工業団地、パナソニックヘルスケアを視察。
中村知事は、インドネシアからの観光客誘致を見込み、日本でも有数のサイクリングコースとして知られるしまなみ海道を宣伝するため、ガルーダ航空幹部と会談する予定だ。