ASEAN拠点が始動 エアアジア、路線網拡充へ ジャカルタに先月設立 フェルナンデスCEOが駐在
格安航空会社(LCC)のエアアジア(本社・マレーシア)は7日、ジャカルタに先月設立した東南アジア諸国連合(ASEAN)地域のグループ戦略拠点「エアアジア・アセアン」の業務を開始した。2015年に導入が見込まれているオープンスカイ協定では、加盟10カ国域内での路線や輸送力などの規制が原則撤廃される見通しで、多国間をつなぐ包括的な路線ネットワークの強化を軸に事業拡大を目指す。
同日行われた記者会見でトニー・フェルナンデスCEO(最高経営責任者)は、ジャカルタに拠点を開設した理由として、ASEAN事務局の存在も強調。「インドネシアはASEANの中心。この地域の最大手として地位をさらに確立させていきたい」と語った。フェルナンデスCEOはすでに駐在拠点をジャカルタに移した。
同社は現在、ASEAN域内ではマレーシアとフィリピン、タイ、インドネシアに拠点を持つ。エアバス機104機を保有し、日本を含むアジア・オセアニア域内の85都市に就航。うちASEAN域内の都市は55都市と6割強を占めている。同社によると、2001年に格安航空として運航してから、延べ1億2千万人が搭乗した。
これまでマレーシア本社がASEAN地域の戦略拠点を兼ねていた。本社機能は移転せず、主にASEAN域内での路線拡大や便数の増加に向けた事業戦略の策定や、運航の円滑化に向けた取り組みなどに注力する。オフィスは南ジャカルタのエクイティ・タワーに構える。
エアアジアグループの今年第2四半期(4―6月)の乗客数実績は前年同期比13%増の約830万人。供給座席数も同13%増の約1050万席に伸びている。
エアアジアは先月、インドネシアの民間航空のバタビア航空を8千万ドル(約63億円)で買収すると発表するなど、インドネシア国内での事業拡大にも力を入れている。