モスクを強制閉鎖 異端派信者立てこもる 西ジャワ州ブカシ
西ジャワ州ブカシ市役所は4日、閉鎖勧告を出した後も信者が使っていたポンドック・グデ郡のイスラム異端派アフマディヤのモスク入り口を板で封鎖した。
地元メディアによると、市の警備隊が同日午後7時ごろモスクを訪れ、「今後モスクでの一切の活動を禁じる」と書かれた書状を突き付けた。閉鎖勧告以降、ひっそりと礼拝などの宗教活動を続けてきた信者とモスク前でもみ合うなどした。
モスクの警備担当を務めるデデン・スジャナさんによると、5日夜も信者約50人が警察官数百人に取り囲まれたモスクに立てこもり、市の措置に抗議。四つある扉のすべてに錠が掛けられ、出入りできない状態という。
モスクは1990年に建てられ、これまで信者と地元住民の関係は良好だった。イスラム強硬派がモスク近くに事務所を開くといううわさが広まり、市は2月、アフマディヤの活動を禁じる条例などを根拠にモスクを閉鎖。アフマディヤ信者は閉鎖勧告の看板がモスク外壁に貼られた後も、礼拝を続けていた。
発祥の地パキスタンをはじめ世界各国に信者がいるアフマディヤは、主流派が最後の預言者とするムハンマドの後にも預言者が存在するとの独自教義を実践。「イスラムを冒とくしている」とみなす主流派の批判が高まり、インドネシア政府は2008年に布教禁止令を発令、強硬派による信者排斥の動きが各地で活発化している。