バリのお巡りさんと乾杯! 交通違反で罰金20万ルピア 隠しカメラで蘭人撮影
「裁判をすれば125万ルピアかかるが、ここで今すぐ罰金を払うなら、20万ルピアでいいぞ」
バリ州クタの警察官と観光客のやり取りを収めた動画が投稿サイト「ユーチューブ」に投稿され、警察当局は対応に追われている。
撮影場所はクタの大通り沿いで、登場する警察官はバリ人のコマン・サルジャナ氏。動画を元に2人のやりとりを再現する。
ヘルメットを着用せずオートバイを運転していたとして、コマン氏がオランダ人観光客を呼び止め、詰め所に連れ込む。交渉の末、「袖の下」20万ルピアで決着。いったん観光客を送り出したが、「ホテルへ戻ってビールを飲みたい」と話す観光客に「それならここで酒盛りしよう」。罰金は「ビールに10万、われわれの政府に10万」と折半し、さっそくビール4本を買って戻ってくる。「乾杯!」
「1本でいいですよ。運転しなきゃいけないし」と話す観光客に「1本だけ? 何か問題あったら連絡してくれ」。「1日、何人逮捕するのですか」との質問に「今日は観光客3人からしか罰金を徴収していない。君以外の2人からそれぞれ30万、10万ルピア受け取った」と答える。終始、親しげに接するコマン氏。「また来てくれ」と笑顔で送り出す―。
映像はかばんの中の隠しカメラのほか、通りを挟んだ場所からも撮影されており、テレビのバラエティー番組のような構成になっている。
インドネシアのメディアが取り上げ、「警察官の腐敗ぶりの証拠映像」と騒ぎ立てたのを受け、ティムール・プラドポ国家警察長官は4日、「いかなる違法行為でも厳重措置を講じる」と言明した。
同州警はコマン氏を交通整理業務から外し、コマン氏や同僚らを取り調べたと発表。罰則を下すほか、オランダ人観光客からも事情を聴くとしている。