3位下落の129位 世銀ビジネス環境調査 経済好調も順位下げる
世界銀行と同銀傘下の国際金融公社(IFC)は二十日、世界百八十三カ国・地域の事業環境について調査した報告書「ビジネス環境の現状二〇一二年版―ビジネス環境における透明性強化」を発表した。インドネシアは事業が行いやすい国・地域の総合順位が前年の百二十六位(最新基準で調整)から百二十九位に三ランク下落。堅調な経済成長が注目を浴びる中、足下の投資環境改善は依然として停滞気味であることが浮き彫りとなった。
調査は、起業、建設許可、資産登録、融資確保、投資家保護、納税、対外貿易、契約順守、事業清算のほか、今年新たに加わった電力確保の計十項目について、世銀が各国・地域の政府関係者、コンサルタントやエコノミスト、法律事務所などの九千人以上の協力を得て実施。
昨年の順位を今年の基準に合わせて調整を行った後のインドネシアの項目別では、起業、納税、事業清算の三項目で順位が上昇し、建設許可は前年度と順位が変わらなかったが、残りの六項目は下落した。
起業分野は百五十五位と低迷。起業に要する日数は、前年の四十七日から四十五日に若干短縮されたが、依然として東アジア・太平洋地域の平均三十八日を上回る上、払い込み資本の国内総生産(GDP)比が域内平均の倍以上となる四七%だった。
百五十六位の契約順守分野では、弁護士費用が地域の平均の倍以上となり、前年比で二位下落した。
■シンガポールがトップ
総合順位のトップは六年連続でシンガポール。二位以下は、香港、ニュージーランド、米国、デンマーク、ノルウェー、英国、韓国、アイスランド、アイルランドが続いた。日本は前年と変わらず二十位だった。
東南アジアの近隣諸国は、タイが十七位、マレーシアが十八位、ベトナムが九十八位、フィリピンが百三十六位、カンボジアが百三十八位、ラオスが百六十五位。中国は九十一位、インドは百三十二位だった。