職業訓練校生に就職説明会 地方最賃は半分 「ジャワの生徒を雇用」 国際交流基金

 日系企業への就職に意欲を高めてもらおうと、国際交流基金ジャカルタ日本文化センターは19日、首都圏や西ジャワ州バンドンなどの職業訓練高校(SMK)で日本語を学習する生徒約100人を対象に、今年で11回目となる就職説明会を開いた。
 自動車部品を製造するムサシ・オート・パーツ社の人事担当者は、日系企業への就職対策について講演。面接前に企業の情報を集め志望動機を考えておくこと、面接で受け答えができるよう練習を重ねることの重要性を伝えた。
 会場の生徒に模擬面接も実施。「しっかり大きな声を出し、簡潔に答えるよう心掛けてください」とアドバイスした。
 バンドンのバレエンダSMK1年生リファン•インサヌディンさん(14)は「日系企業に就職すれば、インドネシアの企業より収入が安定していると思う。就職先の選択肢を増やすために情報を集めたい」と話した。
 ほかにも、日系リクルート大手「セルナジャヤ・プリマ」、四つ星ホテル「ホテル・アトレット・センチュリー・パーク」の担当者が講演。日本文化を紹介しようと、裏千家淡交会インドネシア協会のメンバーが茶道を披露した。
 就職説明会は、職業訓練高校日本語教師会(PGBJ)から、日本語を学習する生徒に日系企業に関する情報を提供してほしいとの要望があり、国際交流基金が実施している。

■500人と面接
 ムサシ・オート・パーツ社は従業員1900人のうち95%をSMK卒業生が占める。インドネシア経済の高成長もあり、引く手あまたの首都圏近郊のSMK出身者だけで労働力を確保することは難しい。
 同社のジョン・バヌエラさん(38)は「労働力が豊富な中部ジャワ州などのSMKから雇用している。州内では就職先がまだ少なく、賃金の高いジャカルタ近郊の企業に集まっている」と話す。
 ジャカルタ、西ジャワ州ブカシ県の最低賃金は200万ルピアを超えたが、中部ジャワ州は州都スマランでさえ約120万ルピア。同州内の遠隔地ではさらにスマランを下回り、首都圏の半分ほどになる。一方でSMKの生徒の技術力は首都圏に劣らず、工場の即戦力になる。
 ジョンさんは「昨年だけで中部ジャワ州ソロなどのSMKに10回ほど足を運び、約500人に面接や筆記試験を実施した」と語り、今後も各地から優秀な生徒を集めていきたいと話した。(小塩航大、写真も)

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