インドネシア人記者の目
-
緊迫の夜明け── ジェンドラル・A・ヤニ邸に刻まれた記憶

1965年9月30日未明、ジャカルタで陸軍将校7名が殺害されるという衝撃的な事件が発生した。いわゆる「9・30事件」である。正式には「Gerakan 30 S.....
-
二輪車は生活の足 IMOS2025が映すインドネシアの移動文化

パンデミックを経て購買力が揺らぐ中でも、インドネシアの二輪車産業は粘り強く成長を続けている。25年8月末時点の販売台数は420万台。公共交通が十分に整備されて.....
-
「トットットッ・ウックウック」への静かな怒り 道路上の特権に抗う市民たちの声

ジャカルタの渋滞は、もはや日常の風景だ。何時間も車列に閉じ込められた運転者たちの忍耐を、突然の「トットットッ・ウックウック」が打ち砕く。まばゆい青色のストロボ.....
-
移動が〝試練〟になる都市 ジャカルタの渋滞と公共交通の可能性

ジャカルタでは、移動そのものが忍耐の連続だ。市内を数キロ移動するだけで、数時間を要することも珍しくない。ジャカルタとデポックを結ぶ交通の要所、南ジャカルタのT.....
-
続くミャンマー接触も…

東南アジア諸国連合(ASEAN)サミットが9日、東ヌサトゥンガラ州のラブアンバジョで開幕する。主要議題はミャンマー問題と東ティモールの正式加盟にどう道筋をつけ.....
-
SNSで大統領選に勝てるのか

来年2月の次期大統領選で、最大与党・闘争民主党の党首、メガワティ・スカルノプトリが先月、党幹部であるガンジャル・プラノウォを大統領候補として擁立すると発表した.....
-
移転すべきは誰なのか?

北ジャカルタ・コジャのプルンパン油槽所で今月3日に起きた火災。全焼した油槽タンクは住宅密集地に隣接しており、類焼で住民19人が犠牲となり、約250人が焼け出さ.....
-
ハッカー・ビョルカの挑戦

「ハッカー・ビョルカ」の名を耳にしたことがあるだろうか。政府の情報を盗み出しては影響力をアピールする謎の人物。しかし、その目的は金銭ではなく、政治利用でもない.....
-
今さら何をするのか

ジョコウィ大統領が1月、1960年代から2000年代初頭にかけて起きた12件の重大な人権侵害事件を認めた。これらの被害者を補償し、将来、二度と起こらないように.....
-
婚外性交渉だけではない

国会(DPR)が刑法改正案を可決した翌日、海外メディアは婚外性交渉を禁止する法案可決を一斉に伝えた。ロイターやAPといった欧米メディアだけでなく、アルジャジー.....
-
-
支持率2%の壁を破れ
インスタグラムなどSNSの世界ではここ数カ月、プアン・マハラニの話題があふれている。いや、決していい話ではない。第5代大統領の娘で、建国の父スカルノの孫娘であ.....
-
ASEANの厄介者

東南アジア諸国連合(ASEAN)の指導者たちは、ミャンマーに手を焼いている。軍がクーデターで実権を掌握したのは2021年。以来、ミャンマーで繰り返される暴力は.....
-
悪しき風習を断ち切れ

サッカーには人々を団結させる力がある。W杯ともなれば人々がスタジアムを埋め尽くす。国内のリーグ戦であろうと国際試合であろうと、「ビッグマッチ」と冠されれば何百.....
-
バリに押し寄せる「貧しい白人」

新型コロナウイルスの感染拡大にともなう行動規制が緩和され、待ちに待ったバリ観光が復活に向け動き始めた。ただ、長かったコロナ禍の規制期間中、外国人の滞在を取り巻.....
-
G20楽団「団結、そして前進を」

伝説の指揮者、ズービン・メータはかつて、荒廃した戦場や災害の被災地になぜ西洋のクラシック音楽を持ち込むのかと問われた。するとインド出身の彼は即答する。「音楽の.....
-
格差社会にメスを
中央ジャカルタを南北に貫くスディルマン通り。その一角にある大量高速鉄道(MRT)のドゥク・アタス駅付近は、週末ともなると若者たちに〝占拠〟される。彼らは思い思.....
-
大麻合法化は是か非か

医療目的なら大麻の使用を合法化するのか否か——。国内のメディア各紙はこの6月、医療用大麻をめぐる論争を詳しく伝えていた。話の発端は、脳性麻痺による障害に苦しむ.....
-
答えはG20サミットで

日中韓3カ国への歴訪を終えたジョコウィ大統領。その目的は「協力の具体化と友好関係の確保」。インドネシア外務省の公式説明はこうなっていた。そして最近の国際情勢を.....
-
国民の理解は必要ない

ジョコウィ大統領が6月末、ウクライナとロシアを訪問した。29日はキーウでゼレンスキー大統領と、翌30日はモスクワでプーチン大統領と会談。いわゆる「平和ミッショ.....
-
見えぬギグエコノミーの先行き

今年初め、国際的な市場調査会社イプソス(本部・パリ)が、インドネシアの電子商取引(EC)に関する意識調査を発表した。調査は今年1月に実施され、国内の主要15都.....
-
-
内閣改造の本当の狙い

残る任期が2年余りとなったジョコウィ大統領が、内閣改造に踏み切った。貿易相はムハンマド・ルトフィ氏に代わって国民信託党(PAN)のズルキフリ・ハサン党首。農地.....
-
多様性が生むバランス感覚

世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアは、世界最大のイスラム教義に沿ったハラル市場でもある。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まる前、世界の.....
-
性暴力排除に一歩前進

イスラム保守系政党の福祉正義党(PKS)などが強い抵抗を示す中、国会(DPR)はついに性暴力犯罪(TPKS)に関わる法案を承認した。遅きに失したとの指摘もある.....
-
「ムディック」頼み

レバラン(断食月明け大祭)に向けた空前の帰省ラッシュがピークを迎えている。新型コロナウイルスの感染拡大で、国民は禁足令が敷かれたレバランを2年続けて経験した。.....
-
英雄視された祈祷師

3月20日。インドネシア全土が沸いた。20年ぶりに国内復活したモトGP(ロードレース世界選手権)。会場は西ヌサトゥンガラ州ロンボク島に完成したマンダリカ国際.....
-
奴隷制の黙認は国恥

インドネシアはパーム油で世界最大の生産国となった。パーム油の健康リスクを指摘された時代もあるが、今日では食品、石けん、化粧品、さらには新聞印刷のインクなどにも.....
-
大統領に問いたい

鉱床さえなければ、その小さな無名の村が注目されることはなかった。中部ジャワ州プルウォレンジョ県にあるワダス村。ジョクジャカルタ特別州の西方にある安山岩の宝庫で.....
-
首都移転計画に異論噴出

ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が進める首都移転計画。過密化したジャワ島を離れ、首都をカリマンタン島に移すという計画だ。新首都の名称は「ヌサンタラ」(.....
-
中韓勢が戦いを仕掛けてくる

政府は今年の第3四半期末まで、自動車に課せられる奢侈税(PPnBM)の免除措置を延長する決定をした。アイルランガ・ハルタルト経済調整相によると、販売価格が2億.....
-
押し寄せる中国の高波

2月1日。ここインドネシアも中華圏の風習となる春節のお祝いムードに包まれた。「イムレック」「チャイニーズニューイヤー」「旧正月」——。呼び方がさまざまなのは、.....

























紙面・電子版購読お申込み
紙面への広告掲載について
電子版への広告掲載について