インドネシアにも波及 出稼ぎ者が続々帰国 マレーシア・サバ州の衝突

 カリマンタン島北東部のマレーシア・サバ州ラハッド・ダトゥで、フィリピンから不法上陸した武装集団とマレーシア治安部隊が交戦し、多数の死者が出た。出稼ぎ労働者が続々帰国するなどインドネシアにも影響が及んでいる。武装集団がサバの領有権を主張するこの問題は、南シナ海をめぐる中国とのせめぎ合いだけでなく、インドネシアとマレーシアの国境問題などと合わせ、ASEAN内でも領土問題が依然くすぶっていることを印象付けた。
 インドネシア外務省は6日、交戦地域から20キロ圏内のインドネシア人はすべて避難したと発表。現場から6キロ圏内に居住し農園で働いていた162人は6日までに安全圏に避難した。マレーシア紙ザ・スター電子版などによると、マレーシア政府は5日、武装集団が立てこもる地域周辺の国営アブラヤシ農園「フェルダ・サハバット」の労働者1万5500人の安全を確認した。
 同農園は東京ドーム約2100個分に相当する9万9千ヘクタール。農園内に居住するインドネシア人は8253人に上り、過半数を占めていた。
 ジャワ・ポス電子版の出稼ぎ労働者インタビューによると、労働者はカリマンタン島の先住民族ダヤック、南スラウェシのブギス人などの出身者が多い。月の収入は単純労働者でもインドネシア側の最低賃金をはるかに上回る月1200リンギット(約3万6千円)ほどで、日雇いの雇用形態も多いとみられる。
 インドネシアからの出稼ぎ労働者は、帰国手続きのため、マレーシア・サバ州南部タワウのインドネシア領事館に殺到している。対岸の東カリマンタン州ヌヌカン島にはボートに乗って帰国する人が相次いだ。
■国境の警備強化
 国境の警備も強化している。陸軍東カリマンタン軍管区はインドネシアへ武装勢力の活動が波及することを食い止めるため、国境に近いヌヌカン島付近で警戒を強めている。アリ・アルヤント同軍管区歩兵隊長は4日、「2日前、武装勢力がマレーシア治安部隊を攻撃するため、国境付近に近づいたとの情報を得た」と語った。
 サバ州は東カリマンタン州の北、フィリピンの西南に位置し、両国からの出稼ぎ者が多い。サバ州の人口は1970年から2010年の40年間で約4倍増の330万人に達しており、移民が多くを占める。タワウはスラウェシ南部の海洋民族であるブギス人が19世紀半ばに漂着し農園、木材業を始めたともされる。
 また、不法滞在者による就労も指摘されており、マレーシア政府は今年6月の総選挙の有権者登録に合わせて不法移民の摘発を進めている。

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