【火焔樹】 結婚の経済性

 「早く結婚した方が、経済的である」と知人が言った。私は「なぜ結婚にも経済学が入ってくるの」と不思議に思った。「一体それはどういう意味ですか」とさらに聞いてみた。彼いわく、「早く結婚して子どもを生めば、子どもが大学に入ってまとまったお金が要るとき、いまだ会社で働いているから、大学の費用が比較的に調達しやすい。もしも、高齢になって子どもが生まれたとしたら、子どもが大学に入る時はすでに定年を迎えていて、大学の費用が重くのしかかってくる」と教えてくれた。
 ちなみに、インドネシアの田舎の女性たちは18歳までに結婚することが多い。その娘も18歳までに結婚すると、35歳過ぎで孫が生まれると言うことになる。つまり、35歳の親世代と18歳の子世代の両方が働くことになり、また両方の世代が子を産めるので大変な需要が生まれる。
 また、インドネシアの人たちはとにかく子どもを愛(め)でる。お金がある人たちは、子どもの休みはどこに連れて行くかで忙しい。アメリカや日本のディスニーランド、日本やシンガポールのユニバーサルスタジオ、もしくはバリ。
 反対にお金があまりない人たちは、子どもを愛でるだけ愛でて、あとは小学校ぐらいしか学校へ行かせなくてもどんどん子どもを産む。家に働きにくる17歳ぐらいのメードのほとんどが、母親に子どもができるのでその出産費用としてお金を田舎に送りたいと言う。
 日本では、結婚前に子どもは持たないという契約をする夫婦もいると聞いた。子どものかわいさを忘れてしまったのだろうか。いまだに孫がいないので、最近は小さい子どもがひたすらかわいい。
 もう、ばあさん世代になった証拠なのかと思いながら、それにしてもあの結婚の経済性を教えてくれた彼が33歳になってもいまだ結婚していないことが気にかかっている。(ゲストハウス経営・平井邦子)

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