讃岐うどん進出 西ジャカルタに1号店 大手チェーン丸亀製麺

 讃岐うどんの日本最大チェーン店「丸亀製麺」のインドネシア第1号店が14日、西ジャカルタのショッピングモール「タマン・アングレック」3階にオープンした。初日は予想の2倍の700人以上が本場讃岐のセルフうどんを体験。日本の運営会社トリドールは、進出6カ国目となるインドネシアで成功すれば、今後イスラム圏への進出の手掛かりになると期待している。

 3年前にインドネシア進出を決定した。近藤肇海外事業推進マネジャーによると、インドネシア最大のピザチェーン「ピザハット」を運営する製粉会社のオーナーと合弁会社を設立。うどんの生地を作る小麦粉はインドネシアと豪州産を混ぜており、食材もインドネシアで調達することに努めた。美味しいうどんを作るには良質の水が大量に必要。その水の安定確保に、日本では考えられないコストがかかったという。
 自分でお盆を手に取りうどんを注文しレジまで進む数分間に、湯気の立つ大きな釜でうどんを茹でる職人、てんぷらを揚げる様子が間近に見える。多くのインドネシア人にとって珍しいうどんの厨房内を見るのは初めての体験だ。
 レジを過ぎると天かすやおろし生姜など薬味を自由に入れる場所がある。そこには丸亀製麺の他国の店にはないチャベ(唐辛子)を小さく刻んだ容器も置かれている。ほとんどの人が白いうどんが隠れるほど赤いチャベをたっぷり乗せ、さらに座席でもテーブルにある七味唐辛子を大量にふりかけて食べていた。
 一番安いかけうどん・釜揚げうどん・ざるうどんが、税込みで3万3千ルピア(約320円)。280円の日本より少し高いが、「ショッピングモールにある他の料理と変わらない」という人が多かった。「ひとつ1万ルピア程度のてんぷらは安い」ともいう。この日、えび天が他のてんぷらに比べ断トツの人気だった。
 マネジャークラスの6人は日本で3週間の実地訓練を経験。日本では、中年女性が少人数で店を切り盛りしている姿を見て驚いたという。
 丸亀製麺は日本の全都道府県に680店ある。2年半前にハワイに進出。現在、海外で20店舗を運営する。
 粟田貴也社長の経営方針は「成功とは、日本人より現地の人に食べてもらうこと」。近藤マネジャーは「うどんはどんな国でも受け入れられる日本食。インドネシアで数十店開店できれば、次はイスラム圏への進出が目標。世界中の人にうどんを食べてもらいたい」と話した。(紀行作家・小松邦康、写真も)

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