日本式管理手法の共有を 新興国への普及も狙う GSEPが省エネセミナー

 日米欧などが主導する、「エネルギー効率に関するグローバルパートナーシップ(GSEP)」の電力ワーキング・グループ(WG)は21日、インドネシアでの発電効率の向上を目指したセミナーを開いた。セミナーは、電力WGの活動の一環として日本政府が提案し、新興国向けとして初めての開催。 インドネシアなどの新興国は石炭発電の割合が高い上、発電や送配電の効率的な運用が進んでいないことが多い。そのような状況を踏まえ、日本政府は管理や運営面での省エネ技術をインドネシア政府へ伝えると同時に技術移転の手法を確立し、インドネシアだけでなく、新興国各国へ管理運営方法を広めていく狙いだ。
 セミナーには日本から経済産業省・資源エネルギー庁の中西宏典大臣官房審議官、電気事業連合会・立地環境部の前田一郎部長のほか、米エネルギー庁や英、中国らの関係者も出席。インドネシアのエネルギー鉱物資源省からハスリル・ヌザハル電力計画局長らが参加した。GSEP側が組織の枠組みや成果、各グループが進める運営手法を説明した。
 GSEP電力WGの議長も務める中西審議官は、セミナーがただ議論だけで終わるのではなく、管理運営面の徹底など具体的な事業を地道に積み重ねる必要性を強調。「安定的な電力供給をサポートし、インドネシアの(省エネ技術が)次のステップにつながる貢献をしたい」と話した。
 セミナーの出席者らは22日にジャカルタの基幹発電所のスララヤ石炭火力発電所を視察し、日本やインドネシアの専門家らが意見交換する予定。(高橋佳久、写真も)

◇「エネルギー効率に関するグローバルパートナーシップ(GSEP)」
 GSEPは2010年7月に開催された第1回クリーンエネルギー大臣会合で日米共同イニシアチブとして発足。エネルギー効率向上を目指し、官民が連携し6つのWGが活動する。日本は電力、セメント、鉄鋼分野で活動を主導している。世界のエネルギー使用量の約60%を占める建物や産業分野での省エネ技術の普及、温室効果ガスの削減などを目的として、日米欧だけでなく、インドやカナダ、メキシコなど、複数の国が参加している。

日イ関係 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly