「アジアの観光促進を」 ANMC21の共同事業 東京などが共通課題議論
アジアの十一都市が組織する「アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)」は十三日、中央ジャカルタのホテル・グランド・ハイアットで第十回アジア観光促進協議会を開幕した。十四日までの会期で観光促進共同事業「ウェルカム・アジアキャンペーン」などについて話し合い、アジアの各都市への観光客誘致拡大につなげていく方針だ。
今回の協議会には、ANMC21会員都市で観光促進共同事業に参加する東京、ジャカルタ、ハノイ、クアラルンプール、台北の五都市の観光当局者らが出席。バンコク、デリー、マニラ、ソウルは促進事業に参加しているが、協議会を欠席した。
協議会の事務局を務める東京都から、今回の協議会議長を務める三枝健二・産業労働局次長、横山英樹・産業労働局観光部長、井口憲一・産業労働局観光部シティセールス担当課長が出席。
十四日には、旅行代理店なども交えて意見交換する。会期中に、各都市の共通する課題解決のため、協力の方向を定めていく共同宣言の採択を目指す。
十三日、会場のホテルで取材に応じた三枝局次長は「各都市が共通に抱える課題について話し合い、知恵を出し合う場。観光は、例えば、宿泊施設や都市間の移動の問題など裾野が広い」と説明した上で、北米、欧州、オアセアニアなどに対し、渡航先地域として競争力をつけるために、「手軽さや相互の行き来を地域として深めることで競争力強化につながる」と指摘した。協議会では、危機管理についても話し合っていくという。
■展示会を15日まで
協議会の参加都市は、中央ジャカルタの「eX」で、各都市を紹介する展示会を十五日まで行っている。
三枝局次長は展示会について、「東日本大震災以降、外国からの旅行者の足が遠のいている。今回をきっかけにして観光資源をアピールしたい」と話した。
東京都は、東南アジアを日本へ誘致する観光客の有望市場として捉え、インドネシア、マレーシア、タイに一層の観光促進を促していく方針という。
◇アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)
二〇〇〇年、石原慎太郎・東京都知事の呼び掛けをきっかけに、デリー、クアラルンプール、ソウル、東京が共同提唱都市として、参加の呼び掛けを行い発足した。現在の会員都市は、提唱都市に、ジャカルタ、ハノイ、バンコク、マニラ、シンガポール、台北、ヤンゴンを加えた計十一都市。ほぼ毎年、会員都市が持ち回りで総会を開催。共同事業は、産業、環境、危機管理、保健・衛生、芸術・文化、女性の社会参画、人材育成の分野で共通する課題に取り組む。〇四年には、ジャカルタで第四回総会を開催、石原都知事が来イした。〇五年には、北京が脱退している。