テロ被疑者5人射殺 警察「観光客標的に」 西ヌサトゥンガラ州
中部スラウェシ州ポソ県から逃走したイスラム過激派組織の一味を追跡している国家警察対テロ特殊部隊(デンスス88)は4日から5日にかけ、西ヌサトゥンガラ州スンバワ島ビマ、ドンプ両県で武装集団と撃ち合いになり、計5人を射殺した。4日には南スラウェシ州マカッサルで2人を射殺するなど、警察はテロ被疑者に強硬措置を講じており、人権団体などから批判が出ている。
地元メディアによると、ドンプ県で3人が殺された場所は、2011年に警察襲撃を計画していたとされるプサントレン(イスラム寄宿学校)の会計係の家族が所有する土地。同校は、ジャカルタに拠点を持つイスラム強硬派団体「ジャマア・アンシャルト・タウヒッド(JAT)」と交流があるとされている。
警察はドンプ県でパイプ爆弾5本(うち4本は製造中)、化学物質、釘など爆弾に使用する予定だったとみられる原料を押収した。
昨年相次いだ過激派による警察官襲撃事件を受け、ティムール・プラドポ国家警察長官はポソを「対テロリストの戦いの最前線」とし、国軍とともにポソ周辺や南スラウェシで合同掃討作戦を展開している。
警察は4日、マカッサル市内の病院内にあるモスクの前で、ポソから追跡していた過激派4人を急襲した。銃器を持っていたうち1人がその場で射殺され、撃たれたもう1人が搬送先の病院で死亡し、2人が逃走した。
国家警察のボイ・ラフリ・アマル報道局長は、過激派の拠点はもはやポソではなく、南スラウェシや西ヌサトゥンガラへと広がっているとの見方を表明。過激派はドンプ県で、国内外の観光客やホテルをテロの標的にしていたと指摘し、未然に防ぐために内偵を進めていたと明らかにした。