ムハマディヤ 100周年祝う 中村千葉大名誉教授 研究40年を総括 英語の著書発表

 創立100周年を祝う国内第2のイスラム団体ムハマディヤの全国大会が18日、中央ジャカルタ・スナヤンのブンカルノ競技場で開かれた。世界最大のムスリム人口を抱え、イスラム社会の近代化を進めてきたインドネシアが民主国家の模範の一つとして注目を集める中、近代的組織を基盤に社会運動を展開してきたムハマディヤは、急変する社会に応じ、寛容なイスラム共同体と近代的な市民社会建設の目標を再確認した。(上松亮介、写真も)

 ムハマディヤの会員ら約5万人が集まったブンカルノ競技場で、ディン・シャムスディン議長は、ムハマディヤの指針として「社会的な弱者への支援」を強調。「目覚しい経済発展を続けるインドネシアで、急成長する中間層が弱者を支えていかなければならない」と話し、貧者の救済というイスラムの原点を再確認すべきだと訴えた。
 また今月下旬、式典に合わせて開かれる国際会議には千葉大の中村光男名誉教授らも出席する。ムハマディヤは2010年、イスラム暦(ヒジュラ暦)に沿って100周年記念式典を開いたが、非ムスリムの研究者の中村名誉教授が、西暦に従って100周年を学術的に記念しようと同会議を提案。ジャカルタ国立イスラム大学元学長で、著名イスラム知識人のアジュマルディ・アズラ氏らが賛同して実現に至った。
 23日から25日まで、西ジャワ州ボゴールで、文明・宗教間対話を図る「第4回世界平和フォーラム」、27日には東ジャワ州マランのマラン・ムハマディヤ大学で、インドネシアのイスラムやムハマディヤの研究者による国際会議が開かれる。
 100周年に合わせ、中村名誉教授は19日、約40年にわたり創立から現在に至るまでのムハマディヤの活動を分析した英語の著書「The Crescent Arises over the Banyan Tree」を発表。1970年代、古代イスラム王国のマタラム王国の王都だったジョクジャカルタ特別州コタグデに滞在して以来、取り組んできた都市型近代派のイスラム団体ムハマディヤの研究成果をまとめた。
 中村名誉教授は、ムハマディヤに求められている現在の課題として「インドネシア国内の宗教・民族間の対話や連帯を高める役割を担っていくべき」と指摘している。

◇ムハマディヤ
 ムハマディヤは1912年11月18日、ジャワ島にイスラムを伝播した伝道師ワリソンゴの末えいのアフマッド・ダフラン氏が、ジョクジャカルタ特別州コタグデで創設。個人加盟するムハマディヤの会員は現在、約60万人。家族などを含めたシンパを含めると3千万人が所属する。イスラムと近代化の両立を推進。約1万以上の学校機関、700以上の医療機関を運営し、政府と並び、地域社会を支える役割を担ってきた。

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