各社が独自色競う 二輪ショー開幕 頭金規制も成長見込む 今年販売は700万台か
国内最大の二輪車ショー「ジャカルタ・モーターサイクルショー(JMCS)2012」が、31日開幕した。中国、インドに次ぎ、世界第3位の販売台数を誇るインドネシア。6月に施行されたローンの頭金規制の影響はあったが、市場シェアの95%以上を占める日系各社は今後も市場の成長が見込めるとみて独自色を競って打ち出している。(二輪車ショー取材班、田村慎也、道下健弘、写真も、8面に関連)
ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキのインドネシア二輪車製造業者協会(AISI)会員4社をはじめ、全部で10社の完成車メーカーが出展。そのほか、会場となった中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンター(JCC)には、多くの関連企業が初展示した。
今年のテーマ「シンク・グリーン、アクト・セーフリー」に合わせ、各社は環境性能や最新技術をこぞってアピールしている。
「二輪車の所有割合は5人に1人。今後も市場は拡大していく」。AISIのグナディ・シンドゥウィナタ会長は、31日の開幕式典で力を込めた。工業省のブディ・ダルマディ最先端技術活用主要産業総局長も「渋滞がひどく、依然として重要な交通手段だ」と、二輪への支持の根強さを強調した。
■来年は750万台前後
シェア5割以上を獲得しているアストラ・ホンダ・モーター(AHM)社の堀祐輔社長は、ホンダ単独では前年と同等の400万台強を販売できるとし、好調さを強調した。今年の総販売台数は700万台と予想。頭金規制の影響は、金融会社のシャリア(イスラム)金融活用で、限定的になるとの見方を示した。
来年初めにシャリア金融の規制が始まる可能性があり、来年の総販売台数は規制の動向にもよるが、750万台に伸びるとした。
45万台を今年の販売目標に掲げるスズキ・インドモービル・セールス(SIS)。渡辺一正・二輪営業責任者は、規制の影響は6、7月で下げ止まったが、「以前の水準に回復するには数年かかるのではないか」と予測する。同社の内海章社長は、スズキの販売台数は頭金規制以前の段階で昨年を下回っていたと明かす。市場の成長速度が落ちてきているのではないかと分析した。
ヤマハ・インドネシア・モーター・マニュファクチュアリング(YIMM)社は、今年、来年の販売目標について、社内で検討中と回答。部品の調達状況をみながら、在庫調整を図っていくとした。頭金規制の影響は「小康状態」とみている。
カワサキ・モーター・インドネシア(KMI)社は、今年の販売目標は12万台、来年は14万台としている。