災害に強い地域づくりを 仙台市副市長 「防災先進都市」PR 国連防災会議を被災地に
ジョクジャカルタで開催中のアジア防災閣僚級会合(国連国際防災戦略事務局=UNISDRなど主催)の関連会合で24日、仙台市の伊藤敬幹副市長が、東日本大震災被災時に奏功し、現在も取り組みを続ける、災害に強い地域作りのための施策を発表した。同市は「復興した街の姿を世界に発信したい」と、世界の防災戦略を議論する第3回国連防災世界会議(2015年)の誘致に名乗りを挙げている。今回の発表でも「防災先進都市」として、市の国際的知名度を高め、誘致実現に弾みを付けたい考えだ。(ジョクジャカルタで道下健弘、写真も)
同市は今月9日、防災教育や復興に向けた取り組みなどが評価され、国連の「ロール・モデル(模範)都市」に認定された。今回の会合は、防災に関する知見や教訓を発信してほしいと、UNISDRが参加要請。「震災を経て、新たに対応しなければならない課題が見えてきた。仙台・東北の存在感を発揮したい」(伊藤副市長)との思いで参加したという。
プレゼンでは、宮城県沖地震(78年)以後、自主防災組織設置と防災訓練実施に注力した経緯を説明。結果、避難所生活者が最大10万人に達した東日本大震災でも、避難所運営は円滑に進んだと振り返った。
被災時には、被災者の生活支援や物資・エネルギーの確保など、多岐にわたるセクターとの協力が不可欠として、「行政は平時から、地域、学校、公益団体、企業などと、顔の見える関係づくりを進めることが重要だ」と力を込めた。
次期国連防災世界会議は、災害に強い国や地域づくりを目指した「兵庫行動枠組」(05―15年)の次の枠組みを決める会議。05年の神戸開催時には関連行事も含め、4万人以上が参加したという。誘致に成功すれば大きな経済波及効果が見込めるだけでなく、伊藤副市長は「今は『打ちひしがれた東北』というイメージが強いが、これだけ元気になったということを世界に発信したい」と意気込む。開催は地域住民にとっても、復興に向けた刺激になるとの考えだ。被災他県と連携し、広域開催も模索している。