「自爆犯の罪許そう」 一週間ぶり再開し礼拝 テロ発生のソロの教会
先月二十五日に自爆テロが発生し、閉鎖されていた中部ジャワ州ソロ(スラカルタ)市クプントンの全福音ベテル教会(GBIS)が二日、一週間ぶりに再開し、日曜礼拝を行った。三日には若者たちが集まり、テロに対して暴力で立ち向かうのではなく、実行犯の罪を許そうと呼び掛けた。
教会は車の交通量が多い住宅地の通り沿いにあり、自爆テロ犯が先月二十五日に爆弾を爆発させた正面入り口は閉鎖されたままだ。ドアの手前の天井は爆発で損壊し、約二メートルの穴が開いている。
教会には十代から二十代の若者約五百人が集まり、テロ発生後、初めての集会を行っていた。全員が頭に、黒地に白い文字で「私たちは許す」と書かれた鉢巻きを締めている。
ステージには次々と若者が上り、テロ発生当時の様子を語ったり、病院に搬送された友人たちの近況を報告したりする。「爆弾に混入されていた釘が内臓に突き刺さり、これから手術をするところです」と重傷の男性の容体に関する説明もあった。
司会者が「ようやく体調もよくなり、教会に来られるようになった方もいます」と二階席の女性にあいさつを求めると、教会は出席者の温かい拍手で包まれた。
事件直後の教会や病院の写真がスクリーンに映し出されたが、「信者の涙はソロの町とインドネシアのために」との言葉も添えられ、「国内外の人々が私たちの教会を見ている。宗教対立を回避しよう」と呼び掛けた。
キリスト教徒も多いソロ市内には約六十の教会がある。男性信者のファリッドさんは「今まで宗教に絡む対立など起きたことはない。市外から来た過激派がやったことだ」と話した。