奨学金支給を開始 「日イの懸け橋に」 イオン・スカラシップ

 流通大手のイオンは、各グループ会社の税引前利益の1%を使って環境保全や国際交流などの活動を行う「イオン1%クラブ」内の事業「イオン・スカラシップ」で、将来の日本とインドネシアの懸け橋となる人材を支援するためにインドネシア大学(UI)の学生2人とパジャジャラン大学(UNPAD)の学生4人に奨学金を支給することを決め、認定証授与式を南ジャカルタのイオンクレジットサービス・インドネシア社で開いた。また、イオン1%クラブと両大学間で奨学金支給についての合意書を締結した。同スカラシップがインドネシアで奨学金を支給するのは初めて。(小塩航大、写真も)
 
 イオン1%クラブの友村自生事務局長、イオンの菓子豊文インドネシア・プロジェクト・リーダー、坂野尚雄イオンクレジットサービス・インドネシア社長のほか、ムハンマド・アニスUI副学長やスティアワンUNPAD副学長が出席した。
 菓子プロジェクト・リーダーはあいさつで「日本とインドネシア両国の懸け橋となれるよう頑張ってほしい。みなさんが国際社会で活躍する人材になってほしい」と激励の言葉を送った。両大学の副学長からはイオンに対し感謝の意が伝えられた。
 奨学生は各大学のブレザーに身を包み、緊張した面持ちで会に臨んだ。認定証を受け取った後、奨学生一人一人が将来の夢についてスピーチ。「社会起業家になりたい」「文学史研究家になりたい」などと話すと、会場からは温かい拍手が送られた。
 UNPAD日本語学科3年のローズ・メリーさんは「将来、日本とインドネシアをつなぐことができる人材になれるよう努力したい。父が亡くなってから母親が育ててくれた。母親の金銭的負担を軽減できるのでうれしい」と笑顔で語った。
 UI経済学部3年のアデ・ラフマニ・シャフリルさんは「奨学金を支給してもらって感謝している。この気持ちを大切にしていきたい」と喜びを語った。 
 今回の「イオン・スカラシップ」は両大学の3年生を対象に実施。合計90人が応募し、UNPADでは19人中4人、 UIでは71人中2人が選ばれた。書類審査を通過した後に面接をし、坂野社長らが試験官を務めた。奨学生には1年間で合計約2万ドル(約160万円)を支給し、1%クラブがインドネシアで実施する環境保護活動、清掃活動や交流会への参加を義務付けている。
 坂野社長は「直接、自分の目で確かめることが重要。イオン本体もインドネシアでの進出を考えている中、若者の人材育成には興味がある。今後も継続して若者の夢を支援していきたい」と語った。
 89年に設立された1%クラブは、インドネシアでこれまで、中部ジャワ地震、スマトラ沖地震・津波で緊急支援金を送ってきた。同クラブの「国際的文化・人材交流、人材育成」事業の一環として2006年に設立されたイオン・スカラシップは、中国、タイ、ベトナムなどの学生を対象にこれまでに2348人へ奨学金を支援。今年からインドネシアとバングラデシュで開始した。

日イ関係 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly