ヒジャブ着用を許可 大統領府が事態収拾 国旗掲揚隊

 独立記念式典に参加する国旗掲揚隊の女性隊員にヒジャブの着用を禁じたとも取れる服装基準が15日、政府の指示で一時的に取り消された。複数のイスラム団体がパンチャシラ(建国5原則)などに反し、人権侵害に当たるとして撤回を要求していた。地元メディアが報じた。
 国旗掲揚隊の服装や態度に関する基準は、パンチャシラ理念育成庁(BPIP)が策定している。現行基準は7月に改正され、就任式や式典で着用するチプット(インナー)タイプの黒いヒジャブだけが削除されていた。
 事態を重く見た大統領府が、17日の式典でヒジャブの着用を許可するように指示を出した。BPIPのユディアン・ワフユディ長官は15日、「国民に深く謝罪します」と陳謝。基準の改正は、スカルノ初代大統領が提唱した「ビネカ・トゥンガル・イカ(多様性の中の統一)」を象徴し、国旗掲揚時の統一性を高める目的だったと釈明した。
 国旗掲揚隊の就任式は13日、東カリマンタン州で建設中の新首都ヌサンタラ(IKN)で執り行われ、76人が任命されたが、このうちムスリマ(ムスリムの女性)の隊員18人が誰もヒジャブを着用していなかった。インドネシア第2のイスラム団体「ムハマディヤ」中央執行部のアブドゥル・ムティ書記長は「着用禁止が事実であれば宗教の自由や人権に反する差別的な行為だ」と基準の撤回を求めていた。
 イスラム学者会議(MUI)も、服装基準は「非文明的だ」と公正さを疑問視。多様性よりも統一感を押し付けていると批判していた。国旗掲揚隊の管轄をBPIPから青年・スポーツ省に戻すべきだとの声も上がっている。

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