持続可能な生産サイクル見学へ 日本の高校生ら12人 APP
「人と自然が調和した未来作り」をテーマに国際フィールドワークを実施する日本の高校生ら12人が29日、中央ジャカルタにある総合製紙メーカー、アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)本社を訪問。自然林伐採ゼロを宣言して持続可能性を追求する同社の取り組みを学び、森林火災などを監視するモニタールームを見学した。
来イしたのは筑波大学附属坂戸高校(埼玉県坂戸市)の8人と卒業生1人、愛媛大学付属高校(愛媛県松山市)の3人。一行を受け入れたAPPはリアウ州や西カリマンタン州など5州で東京都12個分に相当する植林地を管理。2013年に自然林伐採ゼロを宣言し、100%持続可能な木材を原料とする生産サイクルに転換を図った。
坂戸高校2年の藤田健太氏(16)は「放棄林に付加価値をつけたいと考え、インドネシアの事例を参考にしたかった」と参加理由を話した。引率する愛媛大学付属高校の光宗宏司先生(45)は「海外の植林現場を肌で感じれば、人生観を変える刺激と学びを得る機会になる」と期待する。
同社の日本現法APPJの山崎遊シニアマネージャー(49)は「紙という身近な存在がインドネシアでは一大産業であり、それが私たちの生活と繋がっていることを体感してほしい」と研修への思いを語った。
28日にジャカルタ入りした高校生らは今後、植林見学や植樹体験、製紙工場、また所得格差の是正を目指す地域コミュニティー支援センターなどを見学する。(山本佑)