日イの共通点通じ、違いを体験 色とりどりの帽子で田植え CJS
チカラン日本人学校(CJS、西ジャワ州ブカシ県)小学部5年は24日、校内の畑で田植えを行った。インドネシアの文化理解をテーマにした総合学習の時間で、農業と食を中心に学んでおり、芋2種類とシンコン(キャッサバ芋)も育てている。
コメの生産量や消費量が多い日本とインドネシアだが、気候の違いからインドネシアでは2期作、3期作が一般的。総合の時間を担当する三好隆治教諭(40)は、「共通点を通じて、インドネシアだからこそ学べることを実際に体験してほしい」と話した。
この日を前に田おこしも児童たちで実施。「土はカチコチで、スコップでも掘り起こせなかったほど」と苦労を振り返った。
田植えで使用する稲はインドネシアの品種を1種類とし、約1500本を用意した。児童は色とりどりの竹帽子をかぶり、準備万端。同学年は、今月11、12日の両日で西ジャワ州ボゴール県の文化体験村で宿泊体験を実施しており、そこで土産として竹帽子を入手。図工の時間で思い思いに絵付けした。
土に足を取られながら恐る恐る始まった田植え。「こけるなよ」「ビビるな」「上手!」と級友同士で鼓舞。経験を積むにつれ、次第に手慣れた様子で田植えを進めた。
稲11束を植えた1組の工藤橙弥さん(11)は、「たくさん植えることができてとても嬉しかった。泥に入るのは気持ち良かったが、大変さが分かった」と田植えを楽しんだ。
一方、2組の岩田紬さん(11)は「最初は泥に入るのは嫌だなと思っていたが、実際に体験してみると楽しかった。(稲を)深く植えないといけないので、難しかったけれど」と振り返った。
また、岩田さんは「1度、おばあちゃんの田んぼで稲刈りの手伝いをしたことがある。今日の体験を活かしてたくさん手伝いができたら」と話した。
授業では、収穫から脱穀、精米、調理までの実体験を目標にしており、児童からはおにぎりやカレーライス、オムライス、チャーハンなどを作りたいと意見があがった。
これまでCJSでの田植え活動は、2021年から雨期に毎年実施。今年は2期作を目指す予定で、9月ごろに収穫して再び田植えを行う。(青山桃花、写真も)