マングローブを植林 5年計画の2年目 トヨタ車体など
トヨタ車体グループは14日、西ジャワ州ブカシ県で約100ヘクタールの土地に5年間で100万本のマングローブの苗木を植樹する活動の2年目の事業を開始した。初年度の昨年は20万本を植樹、今年は21万本を見込む。
植樹するのは地域住民。トヨタ車体グループが年間600万円を拠出する。環境NGO(非政府組織)の日本環境教育フォーラム(JEEF)が植樹を計画し、実施状況を点検する。
14日に行われた植樹式には、ブカシ県のハジ・ネネン・ハサナ・ヤシン県知事、トヨタ車体本社の市川忍専務をはじめ、トヨタ車体グループや林業公社、村の住民ら約150人が参加した。
植樹場所は、同県ムアラ・グンボン郡ハラパン・ジャヤ村。河口近くにある人口約2千人の村だ。ジャワ海の海水が流れ込む大きな湖を有し、マングローブの育つ沿岸部には、魚やエビ、カニなど豊かな漁業資源があり、漁業で生計を立てる村民が多い。
同村では、エビの養殖産業が盛んだが、養殖池は開拓の5―10年後には土壌養分が減少し、採算が合わなくなり放棄されるのが一般的となっている。
今回の植樹プログラムでは、放棄された池なども対象にマングローブ林の回復を目指す。植樹により天然のエビ「バナメイ」が生息し、漁ができるようになると住民に説明することで協力を得た。
■住民の取り分は5%
同村を含む約1万ヘクタールのウジュン・カラワン自然保護区は、国営林業公社が管理・運営している。一部地域で収益を上げることが認められている同公社から、ジャカルタ在住の華人など投資家が土地を借用。マングローブ林を切り開いて養殖池を造成し、エビを生産してきた。
地域の若者グループのリーダーのタウフィックさん(35)によると、養殖池では、東京ドーム1個分にあたる5ヘクタールを住民3人で管理し、年5回収穫する。年間1億5千万ルピア分のエビを生産できるという。養殖のブラックタイガーは、1キロ15万ルピアで住民が仲買人と取引する。
林業公社ウジュン・カラワン自然保護区のスラバット・マリアント担当課長によると、資本家が70%、林業公社が25%、住民が5%の取り分になるという。(田村慎也、写真も)