日本とバリを世界に繋ぐ場所に 土地建物寄贈記念式典 バリ日本人会など
バリ日本人会などが利用してきたバリ島サヌール地区の施設が、永続的に利用できることになった。これまで、2014年春の叙勲で旭日双光章を受章し、バリ島の老舗旅行社、ラマツアーズの社長も務める万亀子イスカンダール氏の夫の好意で期限付き無償使用していたが、1月29日、2750平方㍍の土地建物の寄贈記念式典が行われた。
施設はバリ日本語補習授業校、バリ日本人会、日本バリ友好協会が共同利用してきた。寄贈記念式典には勝又晴美駐デンパサール総領事やJTBインドネシアの水越三千哉社長が出席した。
式典で万亀子氏は、「この場所が日本人だけのためではなく、日本とバリを世界に繋ぐ地域社会との友好交流の場所として利用してほしい」とあいさつ。また、「今の幸せはインドネシアやバリのお陰である」と寄贈に至った気持ちを表した。
これまで土地と建物を無償提供してきた万亀子氏の夫である故・ラドム氏は、国費留学生として日本の早稲田大学に留学し、在日インドネシア大使館などに務めた経験を持つ親日家。「自分も日本にお世話になったので恩返しができれば」とのラドム氏の思いが無償提供に繋がった。
寄贈までの経緯は、同州ングラライ国際空港拡張工事が完工した1990年代以降、日本人観光客増加に加え、バリ島の魅力に惹かれて永住を決意した日本人女性が急増。だが、日系二世の日本語教育と日本文化の伝承が大きな課題となった。
バリ日本人会では2000年ごろから、学校施設の候補地探しを始めたが難航した。その様子を見た万亀子氏は夫ラドム氏に相談して、期限付きで施設の無償提供という形としていた。
寄贈を受けて施設は夫妻の名前を取って「マキコ—ラドム センター」と名付けられ、式典の幕開けでは補習校生徒の太鼓クラブ「鼓龍」が太鼓を披露し、招待客の有志も参加した餅つきなどが行われた。