世界を知るきっかけに 長野の中学校と合同授業 日本語パートナーズ
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の中学・高校などにおける日本語教育支援を目的とし、授業のアシスタントや文化紹介を行う国際交流基金の日本語パートナーズ(NP)。20日、西ジャワ州チルボン市の第1国立職業訓練高校(SMKN1)に派遣されている野村源太さん(28)が長野県南佐久郡の大日向中学校とオンラインで生徒同士をつなぎ、現地の日本語教師と共に合同授業を行った。「学校の生活」をテーマに校内施設や時間割り、制服などを日本側はインドネシア語で、インドネシア側は日本語で紹介した。
授業では、「学校まで何で行きますか」「なんの部活がありますか」「なんの食べ物が好きですか」「流行りのゲームはなんですか」——と質問を交わし、SMKN1チルボンの教室は歓声に包まれた。
日本語パートナーズ派遣前に大日向中学で働いていた野村さんは授業を通じ、「生徒にとって『なんで?』『面白い』と感じ、世界が広がるきっかけになればいい」と述べた。
これに対してSMKN1チルボンの日本語教師、レラ先生(33)は「準備期間は1週間。合同の打ち合わせができたのはたった1日。時差や日本の生徒にとってなじみのないインドネシア語での発表が大丈夫かなと心配したが、無事成功してほっとしている」と安堵の表情を見せた。レラ先生は合同授業に向けて、大日向中学の生徒にインドネシア語の指南を行った。
SMKN1チルボンのナヤさん(17)は「とても楽しかった。直接日本人と日本語で話ができて良かった」と笑顔で語った。一方、大日向中学のマクドナルド瑛蓮さん(13)は「これまでインドネシアはバリという土地名しか知らなかったが、チルボンという土地を新しく知った」とし、この日の授業については「インドネシアは制服のデザインが毎日変わることが面白いと思った」と語った。「インドネシアに行ってみたくなった」といった感想もあがった。
SMKN1チルボンのアリフ校長(46)は「こうして日イ文化交流が発展し、継続されることを願う」と交流を喜んだ。
また、大日向中学の社会科教諭から授業でアジアについて勉強する際、インドネシア料理の写真や動画を送ってほしいと提案。今後も交流が続きそうだ。(青山桃花、写真も)