「緊縮」「成長」両立を ユドヨノ大統領が強調 財政政策で揺れるG20 通貨危機の教訓紹介

 ユドヨノ大統領はメキシコ・ロスカボスで、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の全日程を終え、19日(現地時間)、「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)が20日(現地時間)から行われるブラジル・リオデジャネイロに移動した。経済危機の震源地となっているギリシャで「緊縮派」と「反緊縮派」に割れて再選挙が行われ、世界の注目を集める中でのG20。ユドヨノ大統領は、1997―98年のアジア通貨危機で経済に壊滅的な被害を受けたインドネシアがその後、スハルト政権崩壊後の民主化の構築と並行して、財政健全化と経済成長の両立に取り組んできた経験を紹介。現在の経済危機でも「中道」の政策を進めることは可能だとの見方を示した。

 地元メディアによると、ユドヨノ大統領はG20首脳会議の第1セッションで、インドネシアは通貨危機後、財政改革を進めるとともに、経済成長の主要因となっている国内消費を維持する施策を実行してきたと強調。欧州地域の政策決定者が財政健全化と成長を両立できる政策を実行することで、世界経済に影響を与えている危機から脱却をしてほしいと訴えた。
 首脳会議に同行しているギタ・ウィルヤワン商業相は、通貨危機の際、国際通貨基金(IMF)が厳しい財政政策を課したことが、危機を一層深刻化させたとの見方もあることから、厳しすぎる財政政策は経済に逆効果を招くということを、インドネシアの経験が明確に示していると主張。厳格すぎる財政規律を課すのではなく、「危機下にある国に成長の余地を与えることが必要だ」との認識を示した
 G20では、IMFに対し、中国が430億ドル、ロシア、インド、ブラジルがそれぞれ100億ドルを拠出することを表明した。この4カ国を含む新興国12カ国は、IMFへの関与を強める代わりに、欧米先進国が大半を握る投票権の改革を求めたが、新興国のインドネシアはそこに加わる意志を示さなかった。
 ユドヨノ大統領は19日、プーチン大統領と会談した。プーチン大統領は「貿易と経済の結びつきを強めるため、(ロシアの)閣僚は新しいアイデアを練る必要がある」と話した。両国は二国間関係のさらなる関係強化で一致した。

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