故人約300人をしのぶ 日本人納骨堂慰霊祭  住職の読経3年ぶり

 ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)個人部会は26日、中央ジャカルタのジャティ・プタンブラン墓地で日本人納骨堂慰霊祭を開催し、金杉憲治駐インドネシア日本大使ら35人が参列した。新型コロナ禍で慰霊祭は一部関係者に留めていたが、3年ぶりに会員参加を再開して日本から住職を招いた。

 日本人納骨堂は1931年、当時の日本人会有志7人が発起人となり、インドネシアへ渡り働いた日本人女性、「からゆきさん」などの遺骨や墓を集め、10年の歳月をかけて建立された。
 しかし、戦後、参拝者が途絶え墓地は荒廃してしまい、その姿を見た邦人有志が59年に日本人墓地保存会を結成。翌年12月に初の合同慰霊祭が開催された。これまでは春・秋の2回慰霊祭を開いていたが、去年から9月開催に一本化した。
 この日、例年通り長野県久遠山・延壽院の伊佐滎豐(えいほう)住職が読経し、参加者全員で過去帳に記録されている約300人の故人へ黙とうを捧げ、霊前で焼香した。
 初めて同慰霊祭に参列した向川利博さん(55)は「インドネシアで働いている上で、ここに眠っている方々へ改めて感謝をしたいと思い手を合わせに来た」と述べた。
 また、同墓地に祖母が眠る高野泰範さん(50)は「幼少期の頃、食べるのも大変だったと苦労話をよく聞いた。祖父が日本兵としてインドネシアで戦死したと通知を受けた祖母は、インドネシアへ祖父を探しに来たのではないかなと思う」と思いを馳せた。
 参列者の一部はその後、タナアバンのプラサスティ公園を訪問し、オランダ軍とのジャワ攻略戦で戦死した旧日本陸軍「廣安梯(こうあんてい)隊」30人の墓碑に手を合わせた。(青山桃花)

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