気仙沼パレード再開へ 伝統衣装150着を寄贈 ライオンズクラブ 日本語学科卒業生が動く
東日本大震災が発生するまで宮城県気仙沼市で10年間行われてきた「バリ・パレード」の再開を支援しようと、各地の伝統衣装の寄付を募ってきたライオンズクラブ・ジャカルタ・モナス・グリーン支部と同モナス支部は15日、パレードで使う道具や衣装をそろえるためにインドネシアを訪れている気仙沼在住の鈴木敦雄さん(52)を南ジャカルタの関係者宅に招き、衣装の受け渡し式を行った。西パプアからアチェまで全国各州から色とりどりの衣装150着が集まったほか、ジャカルタ特別州政府はジャカルタ土着のブタウィ人の厄除け人形「オンデル・オンデル」を寄贈する。インドネシアの震災支援への感謝と今後の協力強化への思いを込めて、今年から「インドネシア・パレード」として再スタートを切る鈴木さんらの取り組みに、各地の伝統衣装が花を添えることになった。
衣装集めは2009年に設立されたモナス・グリーン支部の初代代表のスリ・バノワティさん(62)らが、在ジャカルタ邦人有志を中心に先月結成された「気仙沼インドネシアパレード復興支援会」の会合に出席したのをきっかけに、全国の支部に声をかけて行った。インドネシア大学日本語学科の3期生だというワティさんら同支部の中心メンバーは日本語学科卒業生が占めている。
受け渡し式には鈴木さんやともに訪イしている妹の愛子さん、ライオンズクラブのメンバーのほか、ティニア・ブディアティ・ジャカルタ特別州文化観光局副局長、在インドネシア日本大使館の谷昌紀・広報文化センター長、パレード復興支援会の佐々木哲也さんらが出席。
鈴木さんは「10年間続けてきたパレードで使ってきたもののすべてが津波でなくなってしまい、絶望的な状況だったが、ユドヨノ大統領が気仙沼を訪れ、そして今日このような形で支援を頂いた。気仙沼の復旧、復興にはインドネシアの力が必要であり、今後も両国の協力強化に貢献できるよう活動を続けていきたい」と強調。
ティニア副局長は、ジャカルタ日本祭りなどを通じて、ジャカルタ市民と邦人の関係が良好なものになっていると紹介。ジャカルタの伝統文化の象徴のオンデル・オンデルを寄贈することで、さらなる協力強化に貢献するとともに、伝統文化を日本へ紹介したいとの意向を示した。
また受け渡し式に訪れた漫画家の前山まち子さんが、運営している漫画学校「マチコ・マンガスクール」の生徒が描いた絵画4点を鈴木さんに引き渡した。生徒がスクールの授業で東日本大震災をテーマに描いたもの。漫画風のキャラクターが被災者へ応援の言葉を呼び掛ける構図となっている。
インドネシア・パレードは気仙沼みなとまつり内の行事として8月12日に行われる。ジャカルタで集まった衣装やオンデル・オンデルなどは今月末に配送手続きを終える予定。
「クバヤ」や「サルン」など衣装の寄付など協力に関する問い合わせは、「パレード復興支援会」の赤井さん(携帯0816・922・912、メール akai@biz.net.id)、佐々木さん(携帯0813・1771・6555、メール ss_tetsu@cbn.net.id)まで。