労使、本音で意見交換 ワークショップを開催 日本の金属労協

 労使で本音の意見交換を―全日本金属産業労働組合協議会(金属労協、IMF―JC)は12日、「第3回健全な労使関係構築に関する労使ワークショップ」を、西ジャワ州ブカシ県にあるMM2100工業団地内の大会議室で開催した。
 2010年から毎年6月に開催され、今年で3回目。IMF―JCが主催する海外のセミナーとしてはインドネシアが初めてで、今年夏には、タイでもセミナーを行う方針。
 ワークショップには、インドネシアの日系企業から日本人駐在員、ローカルスタッフの人事担当者、労働組合組合員ら約120人が参加した。
 パネリストだけではなく、参加者からも積極的に意見が上がった。
 ワークショップの冒頭で、IMF―JCの若松英幸事務局長は、昨年までの議論を振り返り、粘り強く労使双方が取り組んでいくことが重要だと指摘。健全な労使関係の構築には10年、20年かかると話した。
 それを受け、登壇した東芝コンシューマー・プロダクツ・インドネシア(TCPI)社の土屋雄三社長は「労使双方がこれまでに行ってきた主張は、表現の仕方に違いはあれど本質は同じだ。現場での出来事を知りたい」と情報の提供を呼び掛けた。

■労使の信頼関係を
 パネリストのインドネシア金属労連(FSPMI)ボディー・ディアナント副会長は「組合に対しては、まず経営側と対話。合意できない場合に限り、最後に圧力を加えるよう、と話している」と述べた。今年1月の最低賃金の引き上げをめぐり発生した大規模なデモについて触れ、「労使の信頼関係が育っていない企業で発生した」とコメント。今後の最賃決定においては、中央レベル、また政労使の三者協議により重点を置きたいとの意向を示した。
 MM2100を運営管理するメガロポリス・マヌンガル・インダストリアル・ディベロップメント(MMID)社の倉永昌英社長は「2つのお願いがある」と話し、(1)労使は対立するのではなくパートナーであり、ともに発展していくという姿勢を持ってほしいこと(2)デモ、ストライキの手段を極力避けてもらうこと―を求めた。

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