国内市場に広く浸透 ヤクルト・インドネシア・プルサダ 1日約710万本販売

 ヤクルト(本社・東京都港区)の現地法人ヤクルト・インドネシア・プルサダ(YIP)は今年、創業から30周年を迎えた。スーパーマーケットやワルン(屋台)などでも見かける乳酸菌飲料「ヤクルト」。ヤクルトが国内市場に浸透した理由などについてYIPの川口博史社長に尋ねた。
 じゃかるた新聞の取材に川口社長は8日、「国内では年々、消費者の購買力が上昇している。もちろんヤクルトの味を評価してもらっているが、以前に比べ、体に良い飲料として認知されている」と語った。
 ヤクルトが国内で広く認知される理由について、「スーパーマーケットやワルン以外にも、『ヤクルト・レディー』が一般住宅などにも細かく営業をしている」と説明した。ジャワ島、スマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島など全国各地でヤクルトを営業販売するヤクルト・レディー約1万1000人が活躍しているという。
 川口社長は続けて、「日本とは違い、インドネシアのヤクルト・レディーは自宅周辺を販売担当エリアとしている。交通インフラが整っていないのも一つの理由だが、地域の〝顔〟がヤクルトを届けることができれば販売面にも良い効果をもたらす」と話した。
 2016年のヤクルト販売本数は1日当たり約500万本だったが、21年第2四半期はコロナ禍にあっても約710万本となっている。川口社長は、「ヤクルトの乳製品は、世界で1日当たり約4000万本売れている」と説明。ヤクルトは世界40カ国・地域に進出しており、インドネシアの売上本数は日本の約970万本に次いで、世界で2番目に多い数となっている。3番目に売り上げ本数が多いのは中国で約680万本、続いてフィリピンで約360万本、メキシコで約340万本となっている。
 川口社長によると、コロナ禍でも国内におけるヤクルトの売上本数は例年通りの上昇率になっているという。今後も販売を拡大していくとし、写真投稿サイト「インスタグラム」や動画投稿サイト「ユーチューブ」などのSNSで情報を発信することを強化していくと意気込んだ。
 現状の課題については、「ヤクルトを嗜好品ではなく、体に良い飲料であることをより浸透させていきたい。今後もインドネシアの方々には、ヤクルトの良さを化学的なエビデンスと共に提示していく必要がある」と述べた。
 ヤクルト・インドネシア・プルサダは1990年に設立、91年から販売を開始した。従業員数は約6000人。西ジャワ州スカブミ県と東ジャワ州モジョクルト県にヤクルト製造工場を構えている。(長田陸、写真も)

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