本当は恥ずかしいの

 「ゴミのポイ捨てはサル並み」???。日本人的な感覚から見ると、やはり衝撃的な看板=写真=だった。けれど、インドネシア人に見せると「そうだ、そうだ」と高笑い。うーん、考え込んでしまった。
 チカラン郊外にある小さな公園を取材した時のこと。ふとサルの看板が目に入った。何かと思えば、ゴミのポイ捨てを止めるよう呼びかける看板。周囲では未就学児も遊んでいる。教育的な視点からも、いいのだろうかと心配になった。
 街中に目を向ければ、確かにゴミ箱があっても、路上にタバコの吸い殻をポイ、ペットボトルをポイ、残飯もポイ。そんな人も多く、なんとも悲しくなる。
 しかも、豊かさを享受するこの時代、所得レベルを問わず、2億7千万人の人々が日々、大量のゴミを廃棄している。実際、ゴミ処理行政はパンク状態にあり、これを何とかしようと意識改革を手厳しく求める前述の看板の登場ということになるのだろう。
 ただ、解せないのは感想を聞いたインドネシア人の反応。そこで言葉の壁もあると思い、親しい日本留学経験者に意見を聞いてみた。
 「ユーモアと見れば、発想が面白い。だから笑った。私も。でもそれは愉快な笑いではない。インドネシア人のポイ捨て感覚は醜く、外国人に指摘されて恥ずかしい。それを受け流そうと必至で笑顔をつくる。日本語なら苦笑いなの」
 なるほど。これで合点がいった。そして、表現方法は違っても恥じるを知る文化、またその奥ゆかしさは、むしろ日本人の価値観と通じ合うところがあるような気もしてきた。(じゃかるた新聞=長谷川周人)
                     ×   ×
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本欄では同窓会や同好会、同郷会の皆さまからのイベント開催報告の募集を停止しております。これに代わり、暮らしの中で見つけた新たな発見や、インドネシア生活で感じたこと、思い出などについてのご寄稿を募集します。
 原稿は写真1枚付き。文末に氏名かペンネームをご記載ください。掲載時は12文字詰で20~60行程度になるよう、編集させていただきます。
 投稿は担当者(メールjalanjalan@jkshimbun.com)まで。ご応募お待ちしています。

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly