うなぎパイ工場を視察 インドネシア産品アピール 駐日臨時大使

 駐日インドネシア大使館のトゥリ・プルナジャヤ駐日臨時代理大使がこのほど、銘菓「うなぎパイ」などを製造する菓子メーカーの春華堂(本社・浜松市中区)の浜北工場(同市浜北区)を訪問した。
 果物などインドネシア産品の輸出拡大を目指す中で、日本の菓子製造工程を見学し、知見を広げる狙いなどによる。
 トゥリ臨時代理大使は、うなぎパイシリーズの「うなぎパイミニ」の製造工程や、洋菓子などの製造ラインを視察。インドネシア国内でも生産が盛んなチョコレートの研究施設を見学した。
 厳しい衛生基準を設け、ロボットなどによる自動化が進む生産現場の状況も確認した。
 トゥリ臨時代理大使はインドネシア国内で豊富な種類の果物が生産でき、チョコレートの原料となるカカオとともに輸出増進に取り組んでいることを背景に、「日本の菓子製造で、ドリアンや柑橘(かんきつ)類など、インドネシアの果物をもっと活用することもできるのでは」とアピールし、今後の活用への期待を示した。
 菓子製造については、「インドネシアでは砂糖を使う菓子が多い。健康志向の商品開発の重要性がこれからは増してくる」と話した。
 春華堂には2019年、インドネシア政府の日本担当特使を務めるインドネシア日本友好協会(PPIJ)のラフマット・ゴーベル理事長(現国会副議長)も訪問するなど、インドネシアとの関係強化が進んでいる。
 同社の創業は1887年。主力のうなぎパイに続く和洋の菓子・新ブランドを立ち上げ、東京都内にも出店している。
 インスタグラムなどを活用した海外向けのPRも進め、インバウンド需要に対応する取り組みも続けてきた。
 インドネシア政府はマンゴー、パイナップル、バナナ、オレンジ、マンゴスチン、ランブータンなどの果物の海外輸出増進を奨励している。農家の増収や外貨の獲得につながる期待がある。
 ブランド菓子の製造や品質向上も、観光需要取り込みなどで重要な要素となると見ている。

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