ムクリスさん優勝 「毛じらみ」で意思疎通説く 東ジャワ日本語弁論大会
第三十三回東ジャワ地区日本語弁論大会が五日、東ジャワ州スラバヤ市の八月十七日大で開催され、「毛じらみを取る」と題して演説したブラウィジャヤ大のムクリス・アリフィンさんが優勝した。在スラバヤ日本総領事館、国際交流基金ジャカルタ日本文化センター、元日本留学生協会(プルサダ)東ジャワ支部が共催し、東部ジャワ日本人会が後援した。
東ジャワ州の各大学から計十四人が参加。日々の生活の中で学んだ教訓や社会問題などについて、堂々と演説した。各参加者とも流ちょうな日本語で審査員や約二百人の観衆を感心させた。
優勝したムクリスさんは「毛じらみを取る」という一風変わった表題で観衆の興味を引きつけた。昔、近所の人たちが互いに毛じらみを取りながら人間関係を深めていたことを挙げ「人間が生きていくためにはほかの人たちとのコミュニケーションが必要であり、コミュニケーションを通じて一緒に助け合っていくことが大切である」と訴えかけた。
準優勝したドクターストモ大学のファディラ・ヌル・アジザさんは高校生の時に「二十一世紀東アジア青少年大交流計画」(JENESYSプログラム)で日本を訪問した経験がある。今大会では「自分から始めよう」とのテーマで、「何かをやるときにはやらされているという気持ちではなく、自分からやろうという気持ちでやってみると結果はまったく違うものになる」と語り、積極的に物事に取り組むことの大切さを説いた。
三位のアイルランガ大学のラトゥ・アッディナ・ユミナさんはネット上の「サイバーいじめ」の問題を挙げ、「人の気持ちにもっと注意を払い、お互いに助け合っていじめのない世界を作りましょう」と呼びかけた。
野村昇在スラバヤ日本総領事のほか、シェルマン・サリム・プルサダ東ジャワ支部長、清水隆東部ジャワ日本人会会長、岩渕初生スラバヤ日本人学校校長らが出席した。
野村総領事は全体講評で「今回誰一人として原稿を見ずに、堂々と演説したことに感銘を受けた。皆さんはダイヤの原石であり、光り輝くために今後も自己研鑽を続けていってほしい」と健闘をたたえた。
ムクリスさんとファディラーさんは、六月にジャカルタで開催される全国大会に東ジャワ地区代表として出場する。