日産、国内生産を終了 販売伸びず、稼働率低迷
日産自動車の現地法人、日産モーター・インドネシア(NMI)は18日、インドネシアでの車両生産を終了すると発表した。西ジャワ州プルワカルタの2工場で、最大計25万台の年産能力を持っていたが、国内販売に苦戦し稼働率が低迷。経営合理化策の一環として生産終了に至った。販売は継続する。
NMIは1月末に新興国向けブランド「ダットサン」の車両生産を終了。日産ブランドの車両生産は2019年1月を最後に行われず、実質的に生産を停止した状態にあった。
日産は2014年、プルワカルタに第2工場を新設。生産能力を年10万台から年計25万台に引き上げた。投資総額は330億円に上った。政府のLCGC(低価格グリーンカー)支援プログラムに参加し、ダットサンの車両を生産したが、他社LCGCに比べ人気を得られなかった。
市場での存在感が薄れる中、昨年2月から7人乗りMPV(多目的車)「リヴィナ」を発売。「4年ぶりの新車」(関口勲社長)として売り込んでいた。リヴィナは三菱自動車のMPV「エクスパンダー」を元に、三菱自の工場で生産され、今後も販売は続く予定だ。
インドネシア自動車工業会によると、昨年の販売台数(ブランド別、小売りベース)は日産で1万2570台(シェア1・2%)、ダットサンで7749台(同0・7%)だった。
リヴィナ投入により前年比で増加したが、他の日系乗用車ブランドに水をあけられ、中国のウーリン(同2万1112台、同2・0%)を下回っていた。(大野航太郎、写真も)