市場縮小もシェア増 トヨタ 電動化政策に対応

 国内自動車市場は年初から縮小している。ブランド別でトップのトヨタの販売台数(インドネシア自動車工業会統計、小売ベース)は、1〜7月で前年同期比9%減の18万4866台だった。一方で、販売シェアは31・5%に達し、昨年末時点の30・9%から伸長。政府の電動化政策にも対応を進める方針だ。
 7月のガイキンド・インドネシア国際オートショー(GIIAS)2019では、来場者数、成約数共に前年を上回った。トヨタ・アストラ・モーター(TAM)の南出一紀・マーケティングディレクターは市況について、「底を打った感じはある」とし、今後の回復に期待を寄せる。市場が縮小し、中国系のウーリンやDFSKの販売が拡大する中でのシェア増加に関しては、「動かずに、トヨタを使い続けてくれるお客さまが多かったということ」と手応えを語った。
 電動化については、インドネシア政府はこのほど、バッテリー電気自動車(BEV)の開発に関する大統領令を発表。普及やバッテリーの国内生産を目指している。BEVに関しては、トヨタはことし4月の上海モーターショーで、BEVモデルのSUV「C—HR」、「イゾア」を発表、2020年の中国市場での発売を予定している。
 南出マーケティングディレクターは、「政府の方針になるべく追随していきたい」とし、ハイブリッド(HV)を含めた電動車の投入車種や時期などを検討しているとした。
 国内では既にC—HRのHVモデルを発売、中田佳宏社長は、政府が進める奢侈(しゃし)品販売税(PPnBM)の排気量に基づく税率設定基準への変更、優遇に期待を示していた。
 28日には中央ジャカルタで、東京五輪・パラリンピックに向けたアスリートへの支援プログラムを発表。イベントには男子バドミントンの有名選手、マルクス・フェルナンディ・ギデオンさんなどを招いた。(大野航太郎、本間太郎)

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