ポンプ生産3000万台 パナソニック 30年超、イが唯一生産
パナソニック・マニファクチャリング・インドネシア(PMI)は8日、東ジャカルタの同社工場で、ウオーターポンプの累計生産台数が3千万台を突破したと発表、記念式典を開いた。同工場がグループ唯一の生産拠点で、PMIの主力事業の一つとなっている。東南アジアや中東への輸出を進める。
1988年にナショナルのブランドでウオーターポンプを生産開始した。井戸水や水道水を、家庭用の給水タンクに貯める際に使われる。ホームセンターや専門店で、3千円ほどで販売されている。PMIの製品保証は1年で、長ければ10年以上使用することもできるという。
PMIは昨年、サンヨーブランドを含め、年200万台のウオーターポンプを生産した。市場シェアは両ブランド計53%(PMI調べ)に達する。同社の年販売額(約220億円)のうち約25%をウオーターポンプが占め、エアコン(約30%)と並ぶ主力事業になっている。
国内販売量の約70%はジャワ島内が占める。地方での需要が見込まれるが、販売網が届かない状況あるという。大津朋信社長は「インドネシア全体に広げていきたいが、まだまだこれから」と話し、2023年度に累計生産4千万台達成を目指すとした。
9月には都市部の高い水圧を求める顧客向けに、タンクに取り付ける加圧装置を5千円ほどで発売する予定だ。
輸出では、東南アジアで1992年にマレーシア、98年にベトナム、99年にマレーシアへの輸出を開始した。現在では生産台数のうち25%ほどを輸出に回している。輸出先のメーンは需要の高い製品特性が国内と近いベトナムで、輸出量全体のうち80%超を占めるという。
為替差損を減少、埋め合わせるため、現地調達率の向上と輸出強化を進める。輸出では東南アジア諸国への展開を強める計画だ。(大野航太郎、写真も)